<女子ゴルフ:ダイキンオーキッド・レディース>◇第1日◇8日◇沖縄・琉球GC(6435ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 開幕日に首位に立ったのは、ツアー屈指の“美ももプロ”だ。プロ2年目の山村彩恵(20=サマンサタバサ)が1イーグル、4バーディー、ノーボギーの6アンダーで、自己ベストタイの66をマーク。周囲58センチの太ももからパワフルなショットを連発、新たなシンデレラガールが飛び出した。美脚プロの木戸愛(23)飛ばし屋の森田理香子(23)ギャルファー金田久美子(23)が2打差4位。注目の若手が上位に並び、2013年シーズンが始まった。

 追い風に乗って、5番ウッドの一撃が、225ヤード先のピン右奥12メートルに2オンした。前半18番パー5。山村は下りフックのロングパットを沈め、イーグルを奪取。3連続バーディーから始まった前半インで31。後半アウトは1バーディーのみに終わったが、6アンダー、66は昨年10月12日、富士通レディース第1日以来の自己ベストタイ。躍動感あふれるショットを連発し、自身初の首位に立った。

 「終わってみたら、こういうスコアでした。昨年はバーディーの後に普通のプレーができなかった。今日は最後まで集中できました」。プロ2年目でノーシード。無名の20歳は初の首位発進を決め、声も弾む。

 身長155センチの体に秘めた爆発力。パワーの源は、類いまれな「太もも」にある。幼稚園から小学校低学年までサッカーで鍛えたもも回りは、女性のウエスト並みの58センチを誇る。「背が低いし、足が太い。普通のパンツが似合わないから」と愛用するホットパンツも、逆に言えばトレードマークになる。私服のジーンズが「サイズをももで合わせるとウエストがぶかぶかで…」とこぼすが、そんな悩みがかすむほど圧倒的な健康美だ。若い女性向けにバッグ、ゴルフウエアなどを販売する「サマンサタバサ」が所属契約を結ぶ理由も、そこにある。

 今オフは活動拠点の兵庫・六甲国際GCで坂道、階段ダッシュを重ねる一方、多くのアスリートを担当したトレーナー・ケビン山崎氏の指導で体幹を強化してきた。「目標は初優勝です」。ツアー随一の“美もも”を武器に、山村のシンデレラストーリーが幕を開けた。【加藤裕一】

 ◆山村彩恵(やまむら・さえ)1992年(平4)6月29日、福岡市生まれ。ゴルフは10歳から。沖学園高時代から江連忠プロに師事。11年プロテストに失敗、同年のファイナルQT32位でツアープロ転向。プロ1年目の昨季は富士通レディース7位など781万3558円を稼ぎ、賞金ランク73位。155センチ、55キロ。