「15歳293日」で女子ツアー最年少優勝を飾ったアマチュアの勝(かつ)みなみ(15=鹿児島高1年)が、即座のプロ転向申請を見送ることが濃厚となった。快挙から一夜明けた21日、鹿児島市内の鹿児島高で優勝報告会見を行い、現時点でプロ転向は考えていないことを明かした。当面は「スーパー15歳アマ」でプレーすることになりそうだ。

 迷いを感じさせず、勝が胸の内を明かした。「プロ転向を今は考えていないのか?」という質問に「はい」と笑顔で答えた。

 日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は18歳未満のプロテスト受験を認めていないが、“ツアープロ”となるトーナメント・プレーヤーズ・ディビジョン(TPD)の申請には、年齢制限がない。KKT杯バンテリン・レディースを制した勝は「ツアー優勝者」としてTPD申請する権利を持ち、審議を通れば「15歳のプロ」になれる。

 「(申請するかどうか)まだ決めていないけど、そこまでの気持ちはありません」。高校で勉強と両立させてゴルフの腕を磨き、卒業後にプロへ-。「ゴルフだけになりたくない」とゴルフ部のない鹿児島高で、普通の生徒と同じ普通科を選んだ。当初のプランを通すつもりだ。

 ただし、置かれた立場は分かっている。「今から大変な時期になりますが、それを乗り越えないと強くなれません」。通常の授業を終え、まずトレーニングを1時間半。打ち込みは中学時代の約200球から約300球に増やす。

 会見では15歳の素顔も見せた。登校は14日に続き、まだ2日目。「まだみんなをよく知らないのに『おめでとう』と声を掛けてもらい、うれしかった」。テレビに映った自分を見て「気持ち悪かったです」と笑った。約600通も来たメールに前夜、300通返信。「残りも全部します!」と明るく答えた。偉業を打ち立てても、持ち前の天真らんまんさに変わりはなかった。【加藤裕一】

 ◆ツアー優勝者のプロ転向手続き

 トーナメント・プレーヤーズ・ディビジョン(TPD)登録の申請は優勝翌日から4週目の金曜日(今回は5月16日)まで。申請時点でアマチュア資格は喪失する。その後、TPD事業部が年齢面などの問題を審議。承認すれば、登録料50万円を払い、1年間のツアー競技シード権を手にできる。