渡部暁斗(29=北野建設)が2位に入った。表彰台は優勝した昨年11月の第2戦以来、今季3度目で通算50度目となった。渡部暁は前半飛躍(ヒルサイズ=HS118メートル)で118メートルを飛び、123・8点で首位に立つと、2位に22秒差をつけてスタートした後半距離(10キロ)でも粘ったが、終盤にヤン・シュミット(ノルウェー)との一騎打ちの優勝争いに競り負けた。シュミットは連勝で今季2勝目、通算4勝目を挙げた。

 後半距離は中盤からシュミットとの一騎打ちに。終始先頭を走った渡部暁は最後に抜かれて7試合ぶりの今季2勝目を逃した。それでも「風はとんでもなく強いし、雪も降っていて(スキーが)滑らない。そんな中で全行程を1人で走り切って表彰台に乗れた意味は大きい」と内容と結果に手応えをつかんだ。

 前半飛躍で首位に立ち、2位と22秒差で距離に臨んだ。4番手から追い上げたシュミットが背後にピタリとつけてきた。渡部暁は「後ろに回った方が断然有利」と理解しつつも「彼が前に出てスローダウンして3、4位につかまるよりは僕が引っ張った方がいい」とハイペースでリードした。

 「表彰台より勝ちの数の方が大事」と50度目の節目については素っ気なかったが、自らの出来には納得している。日本のエースは「五輪やその後も続くシーズンに向け、すごくいい日になった」と金メダルを狙う平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)へ好感触を得た。