世界ランキング24位の錦織圭(28=日清食品)が、復帰後、3度目のトップ10撃破だ。

 同4位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に6-7、7-5、6-4の2時間56分で逆転勝ち。壮絶な粘り合いで、最後、ディミトロフのバックがネットすると、思わず錦織は両手を突き上げた。「モンテカルロに続いて、これだけの期間にトップ10を破れたのは、復帰してからすごい自信になる」。

 負けてもおかしくなかった。第1セット5-4リードで、自分のサービスゲームを落とした。タイブレークでも4-2とリード。しかし逆転され、第1セットを落とした。失意の中で、第2セットも最初にサービスゲームを落とした。最終セットも2-4。ともに挽回して逆転劇につなげた。

 劣勢に立たされても、最後まであきらめなかったことが勝利につながった。心のタフさが戻ってきた。「本当に紙一重だった。勝ちたい思いは強かった。それに、相手が誰であろうと、勝てそうな気は徐々にしている」。

 今週、上位を目指したい理由がいくつかある。今週の結果が、27日開幕の全仏のシード順を左右する。現在、世界24位なので、下位シードだ。それを、できれば上位16シードに入っておきたい。「ひそかに思っている。大々的に目標にしてもプレッシャーがかかるだけ。心の底の底ぐらいでは、やっぱり考えてはいる」。

 もちろん、マスターズ大会初優勝なら文句なしの上位16シード入り。ベスト4で、ぎりぎりのボーダーラインだ。「2回戦でディミトロフだったり、1回戦でジョコビッチだったり。結構、あり得ないような日常が続いている。早く上がりたい」。それには、そのタフなドローを勝ち上がり、上位に行くしかない。

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