日大アメフト部の反則問題に関する日大第三者委員会が29日、中間報告記者会見を都内で行った。

 委員会は日大の悪質な口封じも暴露した。5月31日から70人の聴取、メールチェックやビデオ検証による調査の中間報告を発表。反則問題の事実確認を公表し、関東学生連盟の調査同様に内田前監督と井上前コーチの指示だったと認定した。他の選手にも似たような反則の指示が繰り返されたとし「指導者としての資質を著しく欠き、責任転嫁の姿勢は極めて悪質」と指摘した。

 部員に依頼したアンケートには150人中120人が回答。指導者の言い分を支持した部員は1人もおらず、113人が「2人に意見を言えなかった」、3分の2が「指示に従っていたと思う」とも回答。第三者委は2人の指導者は否定したが、絶対君主のような存在が背景にあったとした。

 さらに、日大の事情聴取前に日大関係者が反則を行った宮川選手に責任を押しつけるよう不当介入し、2度にわたって学生に口封じでもみ消しを図ろうとしたと、連盟よりも踏み込んだ事実を示した。部の再建へこの関係者について「一切関わってはいけない。影響力のある地位にいるべきではない」と斬り捨てた。

 今後は大学ガバナンスの調査に取りかかり、7月下旬までに最終報告をまとめる。大塚学長らから聴取するが、田中理事長や介入者に対して実施するかは明言しなかった。第三者委から報告書を受け取った日大側は「本学職員による反則行為の指示が存在したことは誠に遺憾」とした。

<中間報告のポイント>

 日大アメリカンフットボール部による悪質な反則問題を調査している日大の第三者委員会が発表した「中間報告書」のポイントは次の通り。

 一、悪質なタックルは内田前監督、井上前コーチの指示で行われた。

 一、両者は指導者としての資質を著しく欠いており、責任転嫁するような姿勢は極めて悪質。

 一、一部の日大関係者により当該選手に責任を押しつけ、監督やコーチの指示はなかったことにしようとする不当介入があった。

 一、部の再建は内田氏と井上氏や、不当介入を行った日大関係者の影響力が完全に排除された状態で行われなければならない。

 一、日大が実施した監督公募については、外部を交えた選考委員会を設け、透明感を持った手続きを進めることを望む。