セーリングの470級女子で、日本選手として史上初めて世界選手権金メダルに輝いた吉田愛(37=ベネッセ)が、コンビの吉岡美帆(27=ベネッセ)より一足早く11日、成田空港に凱旋(がいせん)帰国した。胸に金メダルを掲げ「この1年、子供を産んで復帰して、1番の目標がメダルだった。それが金で、やったー!、という感じ。感無量」と喜んだ。

 上位10艇だけが進める最終レースに首位で進出した。しかし、2位とは5点の僅差。過去3度の五輪を経験したベテランでも「周りが見えなくなるほど本当に緊張した」。しかし、若い相棒の吉岡が頼りになった。「わたしが産休の間に成長してくれて、逆に支えてくれた」。

 都合がつけば、いつも大会に帯同している1歳になった長男琉良(るい)君は、今回はお留守番だった。「写真を見ながら頑張りました」と、心の支えにした。「メンタルが影響する競技。子どもができて落ち着いてできるようになった」。

 1人息子を実家に預けているため、1人だけ早めに帰国した。「早く会いたい」。しかし、17日にはアジア大会(インドネシア)出場のため、再び出発予定だ。