男子鉄棒で内村航平(29=リンガーハット)が14・800点で2大会ぶりの表彰台となる銀メダルを獲得した。9月に痛めた右足首の回復が遅れ、個人総合では予選で全6種目を演技できず、連覇がストップ。今大会の最終種目となった鉄棒で、意地を見せた。

3年ぶりの優勝こそならなかったが、執念でつかんだメダルだった。団体決勝では4種目の起用にとどまり、日本は3位。20年東京オリンピック(五輪)出場権を確保したものの、2大会連続の金メダルを逃した。悔しさをぶつけた今大会最終種目。右足首故障を抱えていたが「痛くても着地を止めようと思っていた」と、寸分も動かぬ着地を決め、表彰台を確保した。

9月の全日本シニア選手権では現行の採点規則で自己ベストの6種目合計87・750点を出すなど好調だったが、同月25日に跳馬の大技の着地で右足首を負傷した。「なんで世界選手権の1カ月前にやるかな」。自分に腹が立った。

所属先の佐藤監督の車で病院に向かう間、静かに自身と向き合った。「自信がつきすぎていた部分があった。慢心というか、過信というか」。もどかしさと痛みを抱えながら、着地を踏ん張った。ケガの回復が遅れて無類の強さを見せることはできなかったが、一時は出場すら危ぶまれたところから意地を見せた。

課題は「中国とロシアとの差をどう埋めるか」。得意の鉄棒では、さらに高難易度の構成にも取り組む。来年の世界選手権、そして集大成の東京五輪と、リベンジの舞台は続く。【矢内由美子】