五輪スノーボード銀メダリストの平野歩夢(20=木下グループ)が、早ければ3月にも東京オリンピック(五輪)へ動きだすことが分かった。

平野の父英功氏(46)は14日、スケートボードで五輪出場を目指す場合はパーク種目になることを明言。3月15日に神奈川・藤沢市の鵠沼海浜公園スケートパークで初開催されるパーク・ジャパンオープンに出場する可能性があるとした。

同大会は2月23、24日のストリートに続く、強化選手選考大会として開催が発表されたばかり。東京五輪出場へは世界選手権や国際大会などでの五輪ポイント獲得が必要で、ポイント付与大会に派遣する代表を選考するのが同大会。英功氏は「本人次第ですが、必要があるなら」と話した。

昨年11月、平野は「スルーするわけにはいかない」と東京五輪挑戦を表明。米国などでスケートボードの練習をし、18年平昌五輪で金メダルを争ったショーン・ホワイト(米国)のインスタグラムにはボードを手にした2ショットも。「練習は山と街を行き来しながら、両方ともやっていた」と英功氏は話した。

年明けの右手甲骨折で、連覇のかかった2月のXゲームを欠場。現在もリハビリ中で、3月の大会出場は状態次第だ。実績から海外の大会に招待される可能性もあり、選考会に出場する必要がなくなるかもしれない。さらに、パークは五輪ポイント獲得大会が未定のまま。「仮に東京五輪を目指すにしても、どの大会に出ればいいのか。それが分からないと、動きようがない」とも英功氏は話す。

スノボとスケボーは似ているようで違う。「挑戦するとしても、簡単ではない」と英功氏。国内ライバルの壁も厚い。平昌五輪銀メダル獲得から14日でちょうど1年。4歳からスケートボードを始めて国内大会出場経験もある平野が3月に東京五輪への第1歩を踏み出せば、世界のスケートボード界にとっても大きな目玉になる。

◆東京五輪への道 ストリート、パークとも男女各20人で1カ国最大3人。10月以降に行われる世界選手権上位3人が出場権を獲得し、残りは五輪ポイントで出場が決まる。両種目ともポイント付与大会の最上位は世界選手権。ストリートはプロツアーのSLSが続くが、パークはプロツアー以下の該当大会が未定。統括するワールドスケートは今年10月以降に大会を新設するとしている。

◆スケートボード日本代表争い ストリート男子はSLSで昨季3勝の堀米雄斗(20)が濃厚、今季からSLSに参戦する池田大亮(18)も有力で、残り1枠の争い。同女子は1月の世界選手権で優勝した西村碧莉(17)が五輪に近い。パーク男子はアジア大会優勝の笹岡健介(19)を中心に大激戦。同女子は昨年世界選手権優勝の四十住さくら(16)と2位の中村貴咲(18)がリード。