昨年の覇者で世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が、見事なリベンジで、2連覇に向け好発進だ。

同65位のクリスティナ・ムラデノビッチ(フランス)に6-3、6-4のストレートで勝ち、3回戦では同25位のコリンズ(米国)と対戦する。大坂は「とってもナーバスだった」と話し、勝利の瞬間、珍しく左手で何度もガッツポーズをつくった。

大坂は、1月の全豪優勝後、初めて出場した2月23日閉幕のドバイ選手権の初戦でムラデノビッチと対戦。18年全米、19年全豪優勝を後押ししたサーシャ・バイン氏とコーチ契約を解消し、専属コーチなしで初めて挑んだ大会で、ストレート負けを喫していた。

今大会は、新コーチにジャーメーン・ジェンキンス氏を迎えた初めての大会。加えて、2大会連続で、同じ相手に負けるわけにはいかない。出だしから安定して武器のサーブを軸にサービスゲームをキープ。第1セットの第6ゲームで、相手の3本のダブルフォールトにつけ込み、サービスゲームをブレークすると、第1セットはそのまま押し切った。

第1セット後、大坂は、ジェンキンス新コーチをベンチに呼んだ。第1セットを奪ったにもかかわらず、「全体的にナーバスになっている」と、課題のネガティブさが顔をのぞかせた。オン・コート・コーチング初登場となったジェンキンス・コーチは「良くやっている。グレート・ジョブだ。何も悪くないよ。ポジティブに」と初アドバイス。バイン前コーチの優しい語り口とは異なり、しっかりとした口調で「サーブの緩急を交えているのはとてもいい」と、的確なアドバイスを送った。

第2セットも5-2とリード。第8ゲームで、この日、初めてサービスゲームを失ったが、5-4からしっかりキープし、初めての連覇に向け、ドバイでの悪夢を振り払った。これで、第1セットを奪ってからの連勝も68に伸び、再び大坂の快進撃が幕を開ける。

大坂は、昨年のこの大会で自身初のツアー優勝を遂げて、その後の全米、全豪制覇の足がかりとした。そのため、今大会後に、昨年優勝して稼いだ世界ランキングのポイント、1000点が失効する。他の選手の結果にもよるが、自力で世界1位をキープするには優勝しかない。世界1位維持に正念場の大会となる。