31日に中国で開幕する男子のワールドカップ(W杯)に出場する世界ランキング48位の日本は、同51位のチュニジアに76-78で競り負けた。八村塁(21=ウィザーズ)を連戦の疲労を考慮し、ベンチ入りメンバーから外した日本は、48-59からの最終Q(クオーター)に馬場と田中(ともにアルバルク東京)の3点シュートや渡辺雄(グリズリーズ)の得点などで1度は逆転に成功。しかし76-76の試合終了間際、相手に得点を許した。

コート内に立たずして八村の存在の大きさが際だった。日本人初のNBA1巡目指名を受けた男を欠いた日本はチュニジアに敗れた。八村はユニホームではなく、チームウエアでベンチ横の椅子に座っていた。円陣の中に入り、仲間を鼓舞。第4Q残り5分弱で68-66と一時逆転した時には、立ち上がって、両手を上下に動かし、1万8377人の観客をあおった。

その穴は想像以上に大きかった。渡辺は「塁(八村)に頼ってきたところがあった。他のメンバーでしっかり足を動かそうと思ったが、いいところがなかった」。最後は守り切れず、残り0・2秒で決勝点を許した。ただ、これはあくまで強化試合。本当の勝負は31日からのW杯だ。試合後、八村は「チーム力を上げ、修正をするところはして、W杯に臨みたい。W杯でしっかり結果を残せるように頑張りたい」。チームは27日にチュニジアと非公開での強化試合を行い、28日に決戦の地、中国・上海へと向かう。【上田悠太】