伏兵の五明(ごみょう)宏人(23=ALSOK)があれよあれよの決勝進出を果たした。

1回戦から接戦の連続。必死の戦いを続ける中で「準決勝は無我夢中で相手に向かえ、ゾーンに入った」。激闘を重ねるごとに、気合いと集中力が高まった。

昨年のプレミアリーグ・トルコ大会で2度目の優勝を果たしたものの、「そこで変な自信がつき、いろんな技を試そうとするうちに、組手がばらばらになってしまった」。自分の戦い方を見失って不振に陥り、7月のアジア選手権には出場すらできなかった。今大会に向けては突き技を徹底して稽古。「精密な組手を心掛けた」ことが実を結ぼうとしている。

東京五輪出場に直結するオリンピックスタンディングでは、代表争い圏外の62位。「五輪に出るのは厳しい」と本人も認めつつ、「ラストチャンスと思って優勝し、その後につなげられれば」。まずは8日の決勝に全力を傾ける。