20年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は18日に行われる札幌市と北海道との実務者会議で、マラソン、競歩は大通公園発着、競歩は札幌駅前通の周回コースを提案することが15日、分かった。組織委はこれまで両案を軸に検討してきたが、この日までに関係機関との調整がついた。

マラソンは北海道マラソンのコースを利用しつつ、観光名所が乏しく日陰も少ないことから北部の一部コースをカットし、同市中心部を周回する案とした。

競歩は大通公園と交わる目抜き通りを活用。両会場を近接させ、仮設で整備する運営拠点を1カ所にし、経費を削減する。都外会場の仮設費用は都が負担する決まりだが、今回は例外として組織委と国際オリンピック委員会(IOC)が負担する方向。駅前通案は同時期に開かれる「さっぽろ夏まつり」への影響を少しでも減らす目的もある。

開催日程はIOCや五輪放送機構が男子マラソンを閉会式同日の8月9日に実施するなどの従来案を強く推している。一方、国際陸連は独自の案を提示しており、組織委が最終調整中。コース、日程ともに来月3日から始まるIOC理事会までに固めたい考えだ。

また組織委の武藤敏郎事務総長はこの日、日本記者クラブで会見し、マラソンについて「チケット販売は困難」と明言した。