トビウオジャパンの「虎の穴」がベールを脱いだ。競泳日本代表候補合宿が5日、長野・東御(とうみ)市で国内初の高地トレーニング用特設プールで公開された。同プールは10月に完成して宿泊施設も備える。標高は準高地にあたる約1750メートル。瀬戸大也は「五輪に向けて時差がなく、移動のストレスがない高地合宿ができるのはいい」と好感触を口にした。

競泳では大一番の前に標高2000メートルを超える海外高地合宿が一般的。ただ長距離移動や時差、疲労の蓄積などリスクがあった。同プールは東京までバスで3時間弱と移動しやすく、日本食。大橋悠依は「私は卵アレルギーがあるので、海外では何の食事に卵が入っているかわからなかった。これだけ水泳に集中できる環境は東京にはない」。

2種目で東京五輪内定の瀬戸を指導する梅原コーチは「このプールは、大きいです。本番が東京なので海外にいくことは疑問だった」。瀬戸は4月の日本選手権前は海外高地合宿にいかないで、同プールで合宿を行う。さらに東京五輪でも大会直前には海外高地合宿はいかない方針だ。国内初の高地プール完成は、競泳ニッポンにとって、東京五輪における「地の利」となる。【益田一弘】