シニア派遣選手選考部門女子3000メートルで高木美帆(25=日体大助手)が自身が持つ国内最高を0秒12更新する4分5秒05をマークした。

W杯後半戦、世界距離別選手権(2月、米ソルトレークシティー)など来年の国際大会代表選考レースで、国内敵なしの強さを見せつけた。オールラウンド部門では男子5000メートル日本記録保持者の一戸誠太郎(23=ANA)が同種目で優勝し、総合首位に立った。

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高木美が今月14日に同会場でのW杯長野大会でマークしたばかりの国内最高記録を、また塗り替えた。滑り出しから思い描いていた展開に持ち込んだ。最初の200メートルを19秒58で通過すると、スピードに乗った。全てのラップタイムをトップで滑走して、4分5秒05でゴール。「まずまずのレースはできたのかなって思う」と、電光掲示板を見て納得の表情を浮かべた。

自身のテーマをクリアした。12日前にたたき出した4分5秒17の国内最高は更新したが、その時のW杯同種目の順位にすると5位。「戦いにはならないなって感じた」と、満足できなかった。世界で勝負するため、入りを重視。「今回はなるべく早い段階でスピードに乗ることを意識して挑んだ」と、200メートルでの19秒台を掲げていた。

練習での意識から変えている。「このタイムはいつもより速いからいいではなくて、このタイムだと世界と戦った時にどれくらいかなっていうのを意識して滑るようにはなってきている」。目線の先に常に世界を置く。

今大会は27日の同部門1500メートルと28日から2日間のスプリント部門にエントリー。4日間で6戦を滑る。「まずは1500メートルへしっかり準備し、自分のリンクレコード(1分54秒82)を更新できるようにしたい」と意気込む。「攻めるだけじゃなくて、攻めるなかで自分で動きをコントロールするメンタルも大事になってくる」と、さらなる成長へのポイントを掲げていた。【保坂果那】

○…男子のオールラウンド部門で一戸が、総合首位で折り返した。500メートルは36秒93で3位に入ると、5000メートルでは6分27秒32で2位と3秒以上の差をつけて制した。初の総合日本一へ「目標にしていた総合首位に、いいスタートが切れた。残りもしっかりやっていきたい」と話していた。

◆女子シニア派遣選手選考部門3000メートルで2位だった高木菜那(27=日本電産サンキョー) 最低限(4分)10秒を切りたいというのがあったけど、もうちょっといけたという思いがある。