2連覇を目指す神戸製鋼が開幕2連勝を飾った。後半37分の時点で36-24。トライ数は神戸製鋼の5本に対し、ヤマハ発動機は3本だった。40分を告げるホーンが鳴り終えても、両者は激しい攻防を繰り広げた。

昨季3位ヤマハ発動機は7点差以内の負けによるボーナスポイント(BP)、神戸製鋼は3トライ差以上で得られるBPを狙った。44分にはヤマハ発動機のトライかと思われたが、ビデオ判定でノックオン。それでも主審は神戸製鋼の反則を取り、プレーは続いた。神戸製鋼はその後のプレーで攻撃権を奪い、自陣深くから反撃を開始。最終的には19年ワールドカップ(W杯)日本代表FB山中亮平(31)がタッチラインへと蹴り出し、互いがBPを取らない状態で試合終了を迎えた。

神戸製鋼内でも個々で意見が分かれた。元ニュージーランド代表で途中出場のSOアンドリュー・エリス(35)は、自陣からでもBPを取りにいく姿勢を強調。山中は置かれた状況を考え、タッチキックを選んだ。元日本代表SH日和佐篤(32)は「そこは難しいところ。山ちゃん(山中)の判断も正解。アンディ(エリス)の攻めたかった気持ちも正解だと思う」と両者の意思に理解を示した。

一連のゲーム運びについて、デーブ・ディロン・ヘッドコーチは「(ピッチで戦う)選手が判断するしかない。自分が判断すべきものではない」。フランカーの橋本大輝ゲーム主将(32)は「あそこの前に(相手)ゴール前のモールで(トライを)取り切れなかったから、ああいう状況になった。反省しているのは、そこ」と思いを口にした。

今季のトップリーグは16チームの総当たりで行われる。勝ち点は勝ちが4点、引き分けが2点、負けが0点。そこに2種類のBPが関わってくる。この日の勝ち点は神戸製鋼が4点(BPなし)、ヤマハ発動機は0点(BPなし)。シーズン全体を見据えた各チームの駆け引きも、注目ポイントになる。