2020年のF1開幕戦オーストラリアGP主催者は13日、フリー走行1回目の開始を目前に今週末のオーストラリアGP開催中止を発表した。

開催に向けた準備を行う中で3月11日にマクラーレンのスタッフがコロナウイルスの症状を訴え、検査を受けた結果、翌日になって陽性と判明し、マクラーレンはオーストラリアGPからの撤退を決定。これを受けて主催者側も地元ビクトリア州当局と協議を進めていた。

「マクラーレンのスタッフから陽性結果が出たことも大きく影響したが、今日になって政府保健当局からの意向が大きく変化した。状況は流動的であり、我々も昨夜深夜まで協議を行い、今朝になってこの決断を下したが、これ以上早く決定することはできなかった」(アンドリュー・ウェスタコットAGPC代表)

パドックでは多くの関係者が粛々と開催に向けた準備を進めており、現地入りした多くのドライバーは「FIA(国際自動車連盟)と地元政府、主催者の判断を信頼する」「チームの定めたガイドラインに沿って行動している」としていたが、王者ルイス・ハミルトンなど一部のドライバーは「ここにいることに驚いている。みんな普通に過ごしているが、本来はそうではないはずだ」と強行開催に苦言を呈していた。

決定がここまでずれ込んだことや、来週に予定されているバーレーンGPの状況などについて、F1のチェイス・キャリーCEOは次のように説明している。

「オーストラリアはアメリカやヨーロッパとは状況が異なるため他スポーツと同様の決断を下すことができない中で、非常に流動的な状況で、2日前にこの状況を予期することはできなかった。我々は正しいタイミングで正しい決断を下した。現時点ではオーストラリアGPPについての決定であり、今後のレースについては追って調整して行きたい」

(米家峰起通信員)