2008年北京オリンピック(五輪)バレーボール男子日本代表で、現在は東京五輪ビーチバレーボール代表を目指す越川優(36)が7日、SNSなどで、8月に中学3年生を対象としたバレーボールイベントを行うと発表した。

新型コロナウイルスの影響で活躍の場がなくなった中学生に参加を呼び掛け、高校進学後も競技を続ける気持ちを持ってもらおうと企画した。「思い出作りの場になってくれたらうれしい」と願っている。

越川ら元Vリーガーでつくる実行委員が企画。日本協会が作成した講習会や大会再開時のガイドラインに従い、全国9ブロックでそれぞれ行う。

各会場で、男女各8チームまで参加可能。集まったチーム同士で試合したり、越川らから手ほどきを受けたりすることができる。「バレーボールを楽しむ中学生に笑顔でプレーする機会を作りたかった」と企画への思いを明かした。

17年からビーチバレーに転向した越川も、外出自粛期間中は自宅などでの筋力トレーニングがメインだった。練習拠点だった常設のビーチコートは今なお閉鎖中で、練習先を探すのが大変だという。新型コロナで東京五輪が1年延期となった。「(東京を)1つの区切りと思っていたので」と戸惑いを隠せない。

それでも、北京五輪の時に感じた驚きと興奮をもう1度味わいたいと個人練習に打ち込んでいる。「(五輪の時は)得点するたびに、鬼気迫る感じがしました。まさに『ネットを挟んだ戦(いくさ)』です」と振り返る。特別な舞台にもう1度立ちたいという思いは、ひときわ強い。9月以降に再開予定の国内大会に向け、気持ちを新たにしている。

中学生向けのイベント企画で後進育成に貢献するとの思いとともに、自身の競技にもプラスに働くと考えている。「子どもたちから元気ともっとうまくなりたいという向上心をもらえます」と話し、中学生との交流を心待ちにしている。

【平山連】