昨季3位の筑波大が、マンオブザマッチに選ばれたFB植村陽彦(2年)の2トライなどで同5位の慶大に勝利した。

5点リードで折り返した後半開始2分。味方のノールックパスを受け取った植村陽彦が抜け出し、中央にトライ、点差を広げた。5点差に追い上げられた同20分には、再び植村が左サイドを抜け出し、快足を飛ばして、左隅にトライを決めた。

茨城・茗渓学園出身。高3時には7人制日本代表にも選出された。茗渓伝統の「走ってつなぐラグビー」を大学でも継承し、秩父宮の舞台でも披露。嶋崎監督も「いいところを出してくれた」と評価した。

3トライを奪われたものの、慶応の厚いディフェンスにしっかり対応した。何度もゴール前に攻め込まれながらも数人でのタックルで止め、相手の反則を誘った。主将のCTB岡崎航大(4年)は「とにかく前に出て相手の攻撃をスローダウンさせるようにした」と振り返った。Bチームが慶応のディフェンスを想定して何度も練習したことが奏功し、攻撃の芽を摘み、流れを断ち切った。

開幕から3週連続で試合が続くが、嶋崎監督は「すべて強豪で、すでにこの3連戦をどう戦うかは話し合っている。例年通りやるだけ」と次週(11日)の帝京戦を見据えた。

今季は新型コロナの感染拡大の影響で約1カ月遅れで開幕。約半数の試合が無観客で行われる。有観客で行われた開幕戦の秩父宮ラグビー場では、間隔を空けてチケットを発売。マスク着用で拍手のみの応援が義務付けられ、検温など入場に時間がかかるため、再入場不可の措置をとった。【松熊洋介】