5季連続の関西制覇を目指す天理大が、冷や汗かきながら、大学選手権の切符を手に入れた。前半は14-17で関学大にリードを許し、折り返し。一時は、まさかの10点差をつけられた。後半に盛り返し、最後は王者の貫禄を見せたが、ヒヤヒヤの展開。天理大はA組1位となり、関西2位以上が確定。3位まで出場ができる大学選手権出場を決めた。

7-3の前半27分、関学大にトライを奪われ逆転を許した。さらに、33分にラインアウトからパスをつなごうとするも、ミスでノックオンの判定。直後のスクラムではアーリープッシュの反則を取られるなど、勢いを失った。同35分、再びトライを許し7-17となった。フランカー松岡大和主将(4年)は「自分たちがうまくいっている時間が少なくて、セットプレーでも圧倒された。点差が開いたときはチームに動揺はあった」と言い、完封した直近の2戦とは異なる展開に衝撃が走った。

だが、SO松永拓朗(4年)が流れを変えた。14-17の後半18分、逆転のトライを奪うと、同29分、自陣から抜け出したCTBシオサイア・フィフィタ(4年)からつないで、追加点を奪った。左の人さし指を突き上げ喜びをあらわにした松永は「ずっとしんどい流れで、流れを変えられたところだったので感極まった」と振り返った。

29日のリーグ優勝校決定戦で、5季連続の関西王者をかけ、B組(昨季偶数順位)1位の同大と対戦(京都・宝が池)する。

小松節夫監督は「久しぶりにうまくいかなかった。内容としては厳しいが、こういうゲームを勝ち切れたのはいい経験。これを糧に来週、そして、全国大会に臨みたい」と鼓舞した。【南谷竜則】

◆今季の関西大学ラグビー 昨季順位で奇数(A組)偶数(B組)の4チームに分け、総当たり3試合で同組内で順位付け。両組の同順位同士で順位決定戦を行い、上位3チームが大学選手権へ進む。各組1位の天理大、同大が出場を決め、29日の関学大-京産大戦で残り1枠が決定する。