世界ランキング2位の大坂なおみ(23=日清食品)が、4大大会4勝目を挙げた2月の全豪オープン以来約1カ月ぶりの実戦をストレート勝ちした。

初対戦となった同77位のトムリャノビッチ(オーストラリア)に手を焼きながらも、7-6、6-4で退けた。3回戦では同95位のストヤノビッチ(セルビア)と対戦する。両者は初対戦となる。

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どんなトップ選手でも、初戦は緊張の瞬間だ。まして、全豪優勝後初の試合で強風の中となれば、緊張感は余計に高まる。大坂は「全豪後の初めての試合。どうしてもいいプレーがしたかった」と、その緊張感を認めた。そして「それにうまく対処できたことがうれしい」と、ほっとした表情を見せた。

どうしても勝ちたかったのには、違った理由もある。コロナ禍でツアー帯同の人数が制限された中、母環(たまき)さんが、20年全豪以来、1年以上ぶりに生観戦していたからだ。「私以上に、母が(私を)勝たせたかったと思う」。試合後は、その母に勝利をプレゼントした。

この1年、課題だったメンタルは大幅に成長した。精神的に崩れることがなく、集中力も終始安定した。しかし、この日は、うまくプレーできないことで、第1セットの第9ゲーム終了後に早々とラケットをコートに投げた。「プレーすることに早くなれないとと思っていた」。

ロサンゼルス在住だが、人生の大半をマイアミのある南フロリダで過ごした。地元の1つだが、この大会は2度の3回戦進出が最高成績。次のストヤノビッチ戦に、まずは自身初の4回戦進出をかける。