今年の日本選手権優勝の吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)と松村雄太(31=コンサドーレ)のペアが、前年の同選手権優勝の松村千秋(28=中部電力)と谷田康真(27=コンサドーレ)組に7-4で快勝した。前日と合わせて1次リーグでの直接対決は1勝1敗となった。

最終日の20日は、両チームによる決定戦を最大3試合実施。1次リーグでの直接対決の結果(1勝1敗)も含め、先に3勝したほうが日本代表に決定する。


カーリング1次リーグ勝敗表
カーリング1次リーグ勝敗表

1次L第6試合


チーム
吉田・松村×
松村・谷田×

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)


◆試合経過

第1エンド(吉田・松村雄組が後攻)

後攻を確保した吉田・松村雄組が優位に運ぶ。吉田が4投目のテークショットを決めてNo1とNo2を奪い返すと、最後は松村雄が5投目を落ち着いてハウス中央に寄せ、いきなり3点のビッグエンドに。

第2エンド(松村千・谷田組が後攻)

両チームの石がずらりと縦に並ぶ中で、3点を追いかける松村千・谷田組がNo1とNo2をキープ。最後はガードストーンのないサイドから松村千が3点目を狙ったがハウス中央付近には届かず。それでも2点を返して2-3とした。

第3エンド(吉田・松村雄組が後攻)

1点を追う先行の松村千・谷田組は、5投目で松村千がNo1を確保。直後に相手の松村雄が投じたラストショットは惜しくも決まらなかったことで、1点スチールして3-3の同点に追い付いた。

第4エンド(吉田・松村雄組が後攻)

連続得点を許して追い付かれた吉田・松村雄組は、No1を確保した状態で最後の5投目に。勢いよく投じられた松村雄のラストショットは、外側にあった自分たちのストーンを内へと押し込み、2点を挙げた。前日に大敗を喫した吉田・松村雄が5-3とリードして前半を折り返した。

第5エンド(松村千・谷田組が後攻)

2点を追う松村千・谷田組が、得点の入りやすいパワープレーを選択。良い形で運んでいたが、相手の4投目で吉田に巧みなドローショットを決められる。大量点とはならず、1点を挙げたのみに終わった。

第6エンド(吉田・松村雄組が後攻)

相手のパワープレーを1点に抑えた直後の、吉田・松村雄組。相手にNo1とNo2を確保された状態で最後のショットを迎えたが、松村雄が落ち着いてハウス中央に寄せて1点を加えた。リードを再び2点に広げた。

第7エンド(松村千・谷田組が後攻)

2点を追いかける松村千・谷田組としては、なんとしてでも複数点を取りたいエンド。最終5ショット目で松村千は難しいテークショットを狙ったが決まらず、逆に1点を失う。スチールを許し、リードを3点差に広げられて最終エンドへ。

第8エンド(松村千・谷田組が後攻)

直前のエンドでスチールに成功し、リードを3点差に広げた吉田・松村雄組。残り2投を残してNo1とNo2をキープした状態でタイムアウトを取るなど丁寧に試合を進め、最後は相手のストーンをすべて押し出して勝利をつかんだ。今大会での直接対戦での成績は1勝1敗となった。



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1次L第5試合


チーム
松村・谷田
竹田・竹田

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)

【竹田・竹田】竹田智子(43)、竹田直将(44=ともに名寄協会)

◆試合経過

第1エンド(竹田・竹田組が後攻)

先攻の谷田の4投目。速い石で相手の石を弾いてセンターへ。NO1の黄色を4つの石で囲み、1点を取らせる展開に持ち込む。最終5投目の竹田智は中に石を入れ込めない。2点は取れずに0-1。

第2エンド(松村・谷田組が後攻)

4投目の谷田を前に、ハウスには谷田、松村千組のNO1を囲むように竹田・竹田組の5個の石。NO2作りが求められる中、相手の石に当ててそのままセンターに。正確なショットで状況を打開して2点獲得。2-1に。

第3エンド(竹田・竹田組が後攻)

5投目の攻防。先攻の松村千がしっかりハウス内の相手の石に当てて、平行に自軍の2個の石を並べる。後攻の竹田智は相手にNO1、2を持たれている状況で、センターの石を押し出せず。2点のスチールを許す。4-1。

第4エンド(竹田・竹田組が後攻)

2投目で谷田が石を投げる位置のラインオーバーで無効に。ミスを生かしたい竹田、竹田組だったが、状況は有利に進めることができない。最終5投目の竹田智は2点が厳しい状況も、しっかりと石を当てて動かして1点を確保。4-2に。

第5エンド(松村・谷田組が後攻)

5投目の竹田智が見事なドローショットでセンターラインに縦に1、2、3を作る。後攻の最終5投目の松村千は、大量スチールを回避するために速い球で弾きにいくが1個まで。竹田、竹田組が2点スチールで4-4の同点に。

第6エンド(松村・谷田組が後攻)

谷田の4投目。NO2を作りたいがハウス中央付近は密集状況でドローショットは厳しい。石を弾く狙いを決行。ナイスショットで作戦成功し、一気に状況を優勢にする。最終5投目の松村千はNO1、NO2は確保しての一投で、惜しくも3点目はならず。6-4。

第7エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田・竹田組が後攻で1度だけ使えるパワープレーを選択。センターガードを配置しないで投げ合いに。安定して石を配置して最終5投目前に3点の好機到来。竹田智は相手の石を弾いたが、ハウス内に収められず。2点となり6-6の同点で最終8エンドに。

第8エンド(松村・谷田組が後攻)

松村千・谷田がパワープレーを選択。谷田の正確なテークアウト連発などで優勢に進める。5投目の竹田智の石が止まらずにスルーとなり勝負あり。松村千・谷田組が7-6で競り勝つ。


1次L第4試合


チーム
竹田・竹田××
吉田・松村××10

【竹田・竹田】竹田智子(43)、竹田直将(44=ともに名寄協会)

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)

◆試合経過

第1エンド(吉田・松村組が後攻)

1投目でガードが動いてハウスを広く使い、大量得点もある展開に。松村雄が最終5投目でしっかりドローショットを決めて2点先制。2-0。

第2エンド(竹田・竹田組が後攻)

互いに石1個半分のガードの隙間を通すナイスショットを披露。最後は竹田智がガードをかわして中央を狙うが、NO1は取れず。1点スチールを許す。3-0。

第3エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田直が4投目で力を乗せた石でハウス中央にたまった相手の石を弾きにいくが、思惑通りとはならず。松村雄の5投目終わりでNO1~4まで獲得される状況。最終5投目で竹田智が、何とか2つを弾くのが精いっぱい。2点スチールを許す。5-0に。

第4エンド(竹田・竹田組が後攻)

吉田がダブルテークを成功させれば、竹田直が4投目で絶妙なドローショットでガードをかわしてNO1を取り、優劣が入れ替わる。竹田智は最終5投目で自軍のNO1を押してしまい、NO2までは取れず。5-1で折り返し。

第5エンド(吉田・松村組が後攻)

吉田が会心の一投を放った。4投目でガードに当てて離れた相手のNO1をはじき、さらにNO1で残す。強さ、角度ともにこれ以上なく、NO4までを獲得するナイスショット。最後は松村雄がきっちりとドローを決めて4点。ビッグエンドとして9-1に。

第6エンド(竹田・竹田組が後攻)

縦に石が並ぶ展開。竹田直が4投目でたまった石を弾きにいくが、NO1は取れず。竹田智が最終5投目で難しいショットで逆転を狙うが、惜しくも成功ならず。1点スチールを許す。10-1と大差がつき、2エンドを残し、試合を終えた。

竹田智子、竹田直将組との対戦の第1エンド、ショットを放つ吉田夕梨花。左は松村雄太(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組との対戦の第1エンド、ショットを放つ吉田夕梨花。左は松村雄太(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組と対戦の第4エンド、笑顔を見せる吉田夕梨花(右)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組と対戦の第4エンド、笑顔を見せる吉田夕梨花(右)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組との対戦の第5エンド、笑顔でタッチを交わす吉田夕梨花(左)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組との対戦の第5エンド、笑顔でタッチを交わす吉田夕梨花(左)、松村雄太組(代表撮影)
吉田夕梨花、松村雄太組との対戦の第5エンド、スイープする竹田直将。奥は竹田智子(代表撮影)
吉田夕梨花、松村雄太組との対戦の第5エンド、スイープする竹田直将。奥は竹田智子(代表撮影)
竹田智子(奥右)、竹田直将(同左)組との対戦の第6エンド、話し合う吉田夕梨花(手前右)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子(奥右)、竹田直将(同左)組との対戦の第6エンド、話し合う吉田夕梨花(手前右)、松村雄太組(代表撮影)

◆カーリング混合ダブルス 男女1人ずつのペアで争う。4人制より2エンド少ない8エンド制で行われ、各エンドにつき1チーム5回ずつストーンを投げ合う。1人目は1、5投目、2人目は2~4投目を担当。両チームがセンターライン上の所定の位置に1つずつストーンを置いた状態から始まる。後攻チームは1試合に1度、ストーンを置く位置を左右いずれかにずらして配置する「パワープレー」を選択可能で、複数点を取るチャンスが拡大する。五輪には前回の平昌大会から採用され、日本は出場権を獲得できなかった。

◆大会方式 過去2年の日本選手権でそれぞれ優勝した両ペアと、今年1月1日時点でワールド・カーリンク・ツアー・ランキング国内最上位ペアの計3組が2回総当たり形式の1次Lを行い、上位2組が最終3日目(20日)の決定戦(最大3試合)に進む。決定戦では、1次Lでの直接対決の結果も含めて先に3勝したペアが勝者となり、日本代表に決定する。

カーリング混合ダブルス北京五輪への道
カーリング混合ダブルス北京五輪への道

◆北京五輪への道 今大会の勝者は日本代表として、来年の北京五輪の出場枠が懸かる最終予選(12月5~9日、オランダ・レーワルデン)に出場する。同大会には14チームが参加し、残る2枚の五輪切符獲得を目指す。北京五輪には10チームが出場。5月の世界選手権(スコットランド)で上位だった8カ国がすでに出場権を確保している。その世界選手権に日本からは吉田夕と松村雄のペアが臨み、11位で北京五輪出場切符を逃した。

 
 
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦を前に記者会見でガッツポーズする、左から谷田康真、松村千秋組、松村雄太、吉田夕梨花組、竹田直将、竹田智子組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦を前に記者会見でガッツポーズする、左から谷田康真、松村千秋組、松村雄太、吉田夕梨花組、竹田直将、竹田智子組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス大会関係者相関図
カーリング混合ダブルス大会関係者相関図