カーリングの混合ダブルスの北京五輪出場枠が懸かる最終予選(12月、オランダ)出場チームを決める代表決定戦(稚内市みどりスポーツパーク)が開幕。1次リーグ(L)の第1試合は吉田夕梨花、松村雄太組、第2試合は松村千秋、谷田康真組が勝利した。第3試合は松村千・谷田組が勝利し、連勝スタートとなった。

女子で最終予選行きを決めたばかりのロコ・ソラーレの吉田夕梨花(27)が「混合でもたくさんの人にカーリングは面白いんだということを伝えたい」と意気込んだ。松村雄太(31)と組み、女子では唯一、2種目の「二刀流」で北京五輪出場の可能性がある。大会は3組が総当たりの1次Lを行い、上位2組が決定戦に進む。


カーリング混合ダブルス北京五輪への道
カーリング混合ダブルス北京五輪への道

1次L第3試合


チーム10
松村・谷田××××
吉田・松村××××

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)

◆試合経過

第1エンド(松村千・谷田組が後攻)

松村千・谷田組が有利な後攻を確保。ハウスの中に石がたまる展開となり、最後は松村千の一投でNO1、NO2を確保して2点を先制。

竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第5エンド、ショットを放つ松村千秋(右)、谷田康真組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第5エンド、ショットを放つ松村千秋(右)、谷田康真組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦 第1日 竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第5エンド、話し合う松村千秋(左)、谷田康真組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦 第1日 竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第5エンド、話し合う松村千秋(左)、谷田康真組(代表撮影)

第2エンド(吉田・松村雄が後攻)

不利な先行の松村千・谷田組が優勢に運ぶ。吉田・松村雄組はNO1~3を占められた中で、松村雄のラストショットは狙い通りに運べず、3点をスチールされる。

第3エンド(吉田・松村雄が後攻)

序盤から5点を追う展開を強いられた吉田・松村雄。ハウスの中に石がひしめく展開となる中で、松村雄のラストショットはガードストーンに当たってしまう。再び3点をスチールされ、さらにリードを広げられる。

第4エンド(吉田・松村雄が後攻)

8点を追いかける苦しい展開を余儀なくされた吉田・松村雄組が、早くもパワープレーを選択。大量得点を狙ったものの、辛うじて1点を挙げるにとどまる。

カーリング混合ダブルス日本代表決定戦 第1日 竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第7エンド、笑顔を見せる松村千秋(手前)、谷田康真組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦 第1日 竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第7エンド、笑顔を見せる松村千秋(手前)、谷田康真組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦 第1日 竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第3エンド、スイープする竹田直将。奥は竹田智子(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦 第1日 竹田智子、竹田直将組対松村千秋、谷田康真組 第3エンド、スイープする竹田直将。奥は竹田智子(代表撮影)

第5エンド(松村千・谷田組が後攻)

7点リードと優位に立つ松村千、谷田組が着実に加点。相手がNO1とNO2を持った状態だったが、ラストショットで相手のNO1を押し出して1点を確保した。

第6エンド(吉田・松村雄組が後攻)

8点の大量ビハインドを追う吉田・松村雄組がNO1を持った状態でラストストーンに。ガードストーンを押し込んで複数得点を狙おうとした松村雄のショットは狙い通りいかず1点止まりとなり、負けを認めた。松村千・谷田組はこの日連勝スタートとなった。

第5エンド、スイープする谷田康真。奥は松村千秋(代表撮影)
第5エンド、スイープする谷田康真。奥は松村千秋(代表撮影)

1次L第2試合


チーム
竹田・竹田×
松村・谷田×

【竹田・竹田】竹田智子(43)、竹田直将(44=ともに名寄協会)

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)

◆試合経過

第1エンド(竹田・竹田組が後攻)

松村千・谷田組がハウス中心に効果的に石を集め、NO1を保持。竹田智は最終5投目で難しいショットを強いられ、ガードに当ててしまう。不利な先攻で松村千・谷田組が1点をスチール。

第2エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田智の最終5投目を前に、ハウス中心付近に石が7個密集。投げた石の重さがわずかに足りずに、2点はならず。計測器を使い、NO1が確定して1点は獲得。2エンド連続のスチールは逃れて1-1。

第3エンド(松村・谷田組が後攻)

竹田直の3投目が狙いより外にそれ、敵の石を押してNO1にしてしまう。好機を見逃さない谷田は、巧みにハウス中心にドローを決めて優位に。竹田智がNO1、NO2を取られている最終5投目で石を押してNO1確保を狙うが、わずかに足らず。松村千・谷田組が2点として3-1に。

第4エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田・竹田組にチャンス到来も、竹田直がガードに当てるミスなどでビッグエンドにはできず。松村千は最終5投目でガードをしっかり決める。竹田・竹田組は2点とし、3-3の同点。

第5エンド(松村・谷田組が後攻)

ハーフタイムを終えての投げ合い。NO1、NO2を確保しての松村千の最終5投目。大きく曲げてガードをかわしたが、わずかに狙いよりも伸びた。3点はならずも2点は積みあげて5-3。

第6エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田・竹田組がセンターを開けて大量得点を狙うパワープレーを選択。3点以上が取りたいが、ダブルテークアウトを決められ、逆に石をハウス内に増やせない。1点を取らされる展開になって5-4。

第7エンド(松村・谷田組が後攻)

松村千・谷田組がパワープレーを選択。逃げ切りを図る。ダブルテークアウトなどで相手の石を排除しながら、ハウスに石をためていく。しかし、最後は松村千が相手を弾いて止める簡単なショットを決めれず、3点の機会を逃して7-4。

第8エンド(竹田・竹田組が後攻)

先攻の1投目。ミスしたばかりの松村がハウス中心に止めるナイスショット。竹田直は4投目で力を込めた石で状況打開を試みるも、思うように石を残せずに勝負あり。最後は谷田が次投でしっかり石をはじき出した。

カーリング混合ダブルス日本代表決定戦を前に記者会見でガッツポーズする、左から谷田康真、松村千秋組、松村雄太、吉田夕梨花組、竹田直将、竹田智子組(代表撮影)
カーリング混合ダブルス日本代表決定戦を前に記者会見でガッツポーズする、左から谷田康真、松村千秋組、松村雄太、吉田夕梨花組、竹田直将、竹田智子組(代表撮影)

1次L第1試合


チーム
吉田・松村10
竹田・竹田

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)

【竹田・竹田】竹田智子(43)、竹田直将(44=ともに名寄協会)

◆試合経過

第1エンド(吉田・松村雄組が後攻)

吉田・松村雄組が有利な後攻。互いに氷の状況を探りながらの展開。最終の松村雄はNO1獲得している配置で、左からドローショットでNO1、NO2を得て2点を先制。

第2エンド(竹田・竹田組が後攻)

ガードを増やさずにハウスの中に縦に石がたまる展開。後攻の竹田・竹田組は、最終5投目で相手にガードを配され、竹田智のラストショットは2点を狙えず。1点どまり。

第3エンド(吉田・松村雄組が後攻)

後攻の松村雄のラストショット。NO1、NO2を得ている状態から、自軍の石に当てて相手の石を二つ弾く巧みな一投。3点を獲得し、5-1とリードを広げる。

第4エンド(竹田・竹田組が後攻)

吉田・松村雄組は不利な先攻も、2投目から4投目まで吉田が正確なショットで動かしにくいハウス中央付近にNO1を獲得。竹田直のガードに当てるミスもあり、1点をスチール。6-1に。

第5エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田直の4投目でハウス外の石を弾いて中央に動かすも、NO1は取れず。苦しい展開続く。竹田智が最終5投目で1点を獲得しにいくが、2エンド連続で1点のスチール許す。7-1に。

第6エンド(竹田・竹田組が後攻)

竹田・竹田組がパワープレーで大量得点を狙いにいく。竹田直の4投目がスルーでハウス内に石を増やせず。さらに吉田が最終5投目でダブルテークアウト成功。竹田・竹田組は1点にとどまる。7-2で差を縮められず。

第7エンド(吉田・松村雄組が後攻)

残り1投ずつで竹田・竹田組は2点取れる好機。竹田智が見事なドローショットでハウス中央に置き、NO1、NO2獲得。2点をスチールして7-4とする。

第8エンド(吉田・松村雄組が後攻)

竹田・竹田組は持ち時間がない中で、詳しく考える時間なく投げざるを得ない。吉田が4投目でテークアウトを決めて有利な展開に。竹田智が5投目でNO1を弾きにいくが、成功ならず勝負あり。10-4で吉田・松村雄組が初戦を制する。

竹田智子、竹田直将組との対戦の第7エンド、ショットを放つ吉田夕梨花(右)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組との対戦の第7エンド、ショットを放つ吉田夕梨花(右)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組との対戦の第5エンドを終え、笑顔でタッチを交わす吉田夕梨花(左)、松村雄太組(代表撮影)
竹田智子、竹田直将組との対戦の第5エンドを終え、笑顔でタッチを交わす吉田夕梨花(左)、松村雄太組(代表撮影)
吉田夕梨花、松村雄太組と対戦の第5エンド、ショットを放つ竹田智子(左)、竹田直将組(代表撮影)
吉田夕梨花、松村雄太組と対戦の第5エンド、ショットを放つ竹田智子(左)、竹田直将組(代表撮影)

◆カーリング混合ダブルス 男女1人ずつのペアで争う。4人制より2エンド少ない8エンド制で行われ、各エンドにつき1チーム5回ずつストーンを投げ合う。1人目は1、5投目、2人目は2~4投目を担当。両チームがセンターライン上の所定の位置に1つずつストーンを置いた状態から始まる。後攻チームは1試合に1度、ストーンを置く位置を左右いずれかにずらして配置する「パワープレー」を選択可能で、複数点を取るチャンスが拡大する。五輪には前回の平昌大会から採用され、日本は出場権を獲得できなかった。

◆大会方式 過去2年の日本選手権でそれぞれ優勝した両ペアと、今年1月1日時点でワールド・カーリンク・ツアー・ランキング国内最上位ペアの計3組が2回総当たり形式の予選を行い、上位2組が最終3日目(20日)の決定戦(最大3試合)に進む。決定戦では、予選での直接対決の結果も含めて先に3勝したペアが勝者となり、日本代表に決定する。

◆北京五輪への道 今大会の勝者は日本代表として、来年の北京五輪の出場枠が懸かる最終予選(12月5~9日、オランダ・レーワルデン)に出場する。同大会には14チームが参加し、残る2枚の五輪切符獲得を目指す。北京五輪には10チームが出場。5月の世界選手権(スコットランド)で上位だった8カ国がすでに出場権を確保している。その世界選手権に日本からは吉田夕と松村雄のペアが臨み、11位で北京五輪出場切符を逃した。

カーリング混合ダブルス大会関係者相関図
カーリング混合ダブルス大会関係者相関図