富士通が圧倒的攻撃力で無傷の4連勝を飾った。最初の攻撃でQB高木からWRグラントへのTDパスを皮切りに、前半でIBMを36-10とリードした。後半も確実に得点を積み重ね、63-24の大差で勝利を収めた。IBMは初戦引き分け後は3連敗となり、19年以来いまだ白星がない。

富士通はオール三菱戦が不戦勝となり、1カ月ぶりの試合となった。その憂さを晴らすかのように攻撃陣が爆発した。山本ヘッドコーチ(HC)は「気持ちの切り替えと試合の入り方を注意してきた。最初のドライブで得点できたのがよかった。パスとランがかみ合ってきた」と満足そうな笑みを見せた。

ランで3にパスで5と8TDを挙げた。合計の攻撃獲得距離はなんと668ヤードを記録した。高木は開幕戦に続いて今季2度目となる4TDパスを決めた。WRグラントは2TDレシーブ。RBニクソンは72ヤードと65ヤードを含めて3TDランで191ヤードをマークした。役者が存分な働きを見せた。

WR陣では小梶と松井が、グラントを上回る112ヤードをマークした。47ヤードなど2TDの小梶は「やっと自分を出せた。勝負どころとスピードを発揮できた。WRは切磋琢磨(せっさたくま)していい感じ」と手応え十分だ。

一方で守備はランを57ヤードに抑えるも、パスで366ヤードを許して3TDを奪われた。山本HCは「ランは止めたが、パスは課題になっている。1対1で仕留めきってない」と不満顔。昨季は社会人決勝でオービックにV5を阻止された。「日本一を取りに行くのが目標」だけに手綱を引き締めることは忘れていない。

オービックとパナソニックが3連勝中で、3強の争いの気配になってきた。山本HCは「まだまだ。東京ガスも強い」とニヤリ。1勝2敗も1戦ごとに調子を上げ、富士通も苦戦している。

17日にはオービックと東京ガスが対戦する。「じっくり見させてもらいます。今後の参考、対策を練りたい」。ポストシーズンは上位4チームのトーナメントで、いずれも再戦することになる。とりあえず1日だけは、先を見据えた高みの見物を決め込んだ。