レバンガ北海道がホーム開幕戦で新潟アルビレックスBBを88-75で下し、今季初勝利を飾った。

佐古賢一監督(51)は就任5戦目にして、待望の1勝目。ポイントガード橋本竜馬主将(33)がチーム最多20得点など、日本人4選手が2桁得点を挙げ、同監督が掲げる「全員バスケット」を体現した。3点シュートも今季最多16本で、成功率44%は今季最高。積極性を重んじる佐古イズムが、ようやく1勝という形で芽を出し始めた。

レバンガ北海道が、ホームに集まった2291人のファンに、待望の初勝利で恩返しした。今季就任の佐古監督にとっては、開幕4連敗後の1勝だ。「ここまでなかなか力を出せない状況が続いたが、今日は選手がこれまで以上に気合が入っていた。やってきたことをしっかりと試合で出してくれたおかげ」と喜んだ。

リーダー橋本が攻守でチームをけん引した。第1クオーター(Q)終了間際、接触プレーで後頭部を打った。トレーナーの診断を受け再び試合に戻り、終わってみれば19年に加入後、自己最多20点。日本人4人を含む6選手が2桁得点と、あらゆる所から加点した。橋本は「誰か1人じゃ、うちは勝てない。全員が得点の脅威を与えていくことが大事」。佐古監督が就任時から伝え続ける全員で戦う姿勢が、大事なホーム初戦で披露された。

佐古監督は、チームだけでなく、クラブ全体の絆を大事にする。同監督は就任時に1つだけ折茂武彦社長(51)にお願いをした。「会社と現場の距離感をなくしてほしい。時間があれば社長直々に練習を見に来てほしい」。昨季は多忙で1度も練習を見ることができなかった同社長は今季、開幕前から時間をつくり練習を見学。中野は「折茂さんが来たときに3点シュートの際の駆け引きを聞けた」。トップのちょっとした意識の変化は、選手のモチベーションにもつながった。

同監督は「今日は3点シュートが入ったことが大きかったが、いつもこうはいかない。今度は内からの点も増やさないと」。残りは55戦。この1勝を弾みに、17日新潟戦で初の連勝に向かう。【永野高輔】