男子の葛西紀明(49=土屋ホーム)の北京オリンピック(五輪)出場が事実上消滅した。

ノルディックスキーの全日本選手権ジャンプのラージヒルでは1回目115・0メートル、2回目110メートルの合計172・7点で22位。優勝すれば2季ぶりのW杯開幕メンバー復帰のチャンスがあったが逃した。

大会後、全日本スキー連盟はW杯代表6人、下部大会のコンチネンタル杯(C杯)代表4人の遠征メンバーを発表。原田雅彦理事は「この10人で転戦を始め、W杯のポイントを積み重ねてもらう。上位5人が五輪の代表になる」と話した。W杯とC杯のメンバーは成績によって入れ替えがあるが、国内組の選手との入れ替えについては「今のところは可能性はないです」と明言。遠征メンバーを外れた葛西が五輪に出場できるチャンスは、ほぼなくなった。

北京五輪への道は絶望的になったが、下を向くことはない。「辞める気は毛頭ない。調子がよければ、もっといける感触はある」と強気に言った。来年50歳を迎えるが「まったく辞める気はない。ここまできたらいけるところまで、キングカズさんのようにずっとやっていきたい」と強調。26年にイタリアで開催されるミラノ・コルティナダンペッツォ五輪、札幌が招致を目指している30年冬季五輪を目指す考えも示した。