国学院栃木が、県勢初の4強入りを果たした。長崎北陽台の堅守に苦しんだが、後半8分、SO伊藤龍之介(2年)のトライで優位に立った。2日には全国大学選手権の準決勝で明大のSOとして出場した兄伊藤耕太郎(2年)が決勝トライ。兄弟で連日のヒーローとなり、栃木のラグビー史を塗り替えた。5日の準決勝では3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)と戦う。

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背番号10は思いっきり外に蹴り出した。ノーサイドを迎えると伊藤龍をはじめ「コクトチ」の選手、ベンチは両腕を突き上げた。吉岡監督は「34年間監督をやってきて、間違いなく最高の1日。栃木県のラグビーの歴史が変わった日」と声をうわずらせた。

長崎北陽台の粘り強い守りに苦しみ、前半は3-0。後半8分、伊藤龍が縦の突破を図り、ディフェンスを振り切りながらトライした。重苦しい展開で一気に優位に立った。2年生の司令塔は「コクトチに入ってきた選手は全員ベスト4を目標にします。積み上げてきたもの、OB全員の思いをつないで達成できた」と誇らしげだった。

原動力があった。2日の大学選手権準決勝で明大SOの兄耕太郎が逆転の決勝トライ。OBでもあり、宿舎は興奮に包まれた。一夜明けた弟のトライシーンは兄とそっくり。「兄を見て、自分も力強くいこうと思った。周囲に仲間がいたけど自分で振り切ろうと」と強引に前進。テレビ越しに勇気をもらった。

2日の大学選手権では伊藤を含めOB5人が出場し活躍した。吉岡監督は彼らの名前を挙げ「後輩より先に負けられないとひしひし感じた。コクトチ・ファミリーとしては勇気になりますよね」。互いに刺激を与え合い、ついに大阪から歴史的な吉報を届けた。

いよいよ準決勝。王者桐蔭学園との対戦が決まった。初戦で脳振とうを起こし今大会は出場できない主将の白石は「自分たちのラグビーを前面に押し出して勝ちにいく」と臆することなく言い切った。【柏原誠】

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