東京オリンピック(五輪)の女子バスケットボールで日本の銀メダル獲得に貢献した、Wリーグ富士通レッドウェーブのポイントガード(PG)町田瑠唯(28)が5日、米WNBAワシントン・ミスティクスへの移籍会見を東京・代々木第2体育館で行った。

今季のプレーオフまで富士通に所属。5月のWNBA開幕に備えて渡米する。まずは「新しい挑戦で不安はありますけど、とても楽しみ」と冒頭あいさつ。1月に受けたというオファーについて「すごく驚きましたけど、お話を聞いているうちにワクワクしてきて。こんなチャンスなかなかないですし」と移籍を決断した経緯を報告。「ボコボコにされる時もあると思いますけど、それも経験。そういう経験ができるだけで成功だと思います」と晴れやかな表情で語った。

日本人が世界最高峰のWNBAでプレーするのは4人目。萩原美樹子、大神雄子、会見前に対戦したENEOSの渡嘉敷来夢に次いで歴史の扉を開けた。夢舞台のイメージに関しては「女子バスケットの最高峰。いろんな国のトップレベルの選手が集まっていて、挑戦したくなる舞台。東京五輪の時に『小さい選手でも通用するんだぞ』と証明しにいったように、米国でも同じ気持ちでいきたい。小さい選手にも夢を与えられるように頑張ります」と162センチは意気込んだ。

その昨夏の自国開催五輪では、準決勝フランス戦で18アシストをマーク。五輪新記録を更新し、大会全体でも通算75アシストでアシスト王とベストファイブに輝いた。ただ、強み一辺倒になる気はない。「アシストだけになってしまうと、本当に守りやすい選手になってしまうので。米国でもしっかりアタックして、得点を意識して。もちろんアシストも狙いますが、初めてやる選手ばかりなので、特徴をつかんだり選手のことを理解したりしてPGとしてゲームコントロールできるようにしたい」と意気込んだ。

ワシントンでは、まずはベテランPGのバックアップとして期待されているという。9月のシーズン終了後には富士通復帰が決まっており「世界トップの高さや強さを経験して、日本の方々にいい報告ができるように頑張りたい。そして向こうではスキルや考え方を勉強して、それを還元して貢献できるようにしたい」と自らの成長に期待した。 ミスティクスは、男子のNBAウィザーズ八村塁と同じワシントンDCが本拠地。「るい&るい」が米国の首都で躍動するか、春以降の楽しみが増えそうだ。【木下淳】