目標の「B2優勝、B1昇格」完全達成はならなかった。

仙台89ERSがファイティングイーグルス名古屋に44-75で敗れ、B2優勝を逃した。この日は第2戦で決まったピックアンドロールが名古屋に封じられ不発。わずか44得点に抑えられ完敗した。だが、チームは6季ぶりにB1に昇格。来シーズンは新たな舞台に挑み、地元仙台をはじめ東北に勇気を届ける。

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「仙台89ERSのバスケット」を遂行できず最後は力尽きた。第1クオーター(Q)開始20秒で岡田泰希(22)のレイアップ、1分40秒でジャスティン・バーレル(34)の3点シュート(3P)が決まり、幸先のいいスタートを切った仙台だったが、その後はシュートがことごとくリングに嫌われた。第3Qは月野雅人主将(33)の3Pなどで盛り返したが、第2戦で32得点に抑えた相手外国人トリオに45得点を許すなど、波に乗りきれなかった。

「B2優勝」に向け気持ちを奮い立たせて臨んだ第3戦だったが、疲労は限界を超えていた。7日福島との準々決勝から始まったPOはいずれも3戦目での決着。福島とは7~9日に3連戦を行い、準決勝の相手香川とは約750キロ離れたアウェーの地で13、14、16日の3試合。2勝1敗で見事16-17年シーズン以来、6季ぶりのB1昇格を決め、翌17日に仙台に凱旋(がいせん)した。そして、すぐに今度は約500キロ離れた名古屋で3連戦と16日間で9試合の激闘。この日は名古屋に140人、仙台市内のパブリックビューイングに590人のブースターがかけつけ、その大黄援を背に奮闘した。試合後、藤田弘輝ヘッドコーチ(36)は「このPO、たくさんの試合を戦い抜いた選手を誇りに思うし、やり切ったので悔いはない」と満足げに振り返った。

来季は強豪ひしめくB1の舞台が待ち受ける。東北勢は今シーズン、秋田ノーザンハピネッツがB1参戦5年目でチャンピオンシップ初出場を果たした。仙台もチームの歴史に新たなページを加えるため、さらに切磋琢磨(せっさたくま)を続けていく。