女子は柳ケ浦(大分)が広島皆実を代表戦の末に退け、初優勝を遂げた。県勢初の悲願だった。

先鋒戦から中堅戦、大将戦まで3選手が全て引き分け。代表戦で柳ケ浦の大将・細野いづみ(2年)が、広島皆実の大将・本田万智(2年)と対戦。本戦は互いにポイントを奪えなかったが、体格で上回る120キロの細野が内股を豪快に決めて一本勝ち。チームを頂点に導いた。

先鋒の大石華姫(女子52キロ級3位)が「チームにどれだけ流れをつくれるか」と引っ張り、中堅の高木葉月(女子63キロ級3位)が「大将につなげるように」と奮闘。細野が女子無差別級2回戦で敗れた悔しさを団体日本一につなげ「今年は何が何でも日本一になりたかった。最後の日本武道館での試合だったので、楽しもうと思ってやってたら、笑ってました。(終盤に劣勢の)本戦で心が折れかけていたので、代表戦に選ばれて『マジか』と思って、それでも笑ってました」と笑顔を見せた。

メンバー全員が宇佐市立長洲中の出身で、同じ道場で稽古する柳ケ浦に進んで日本一を目指し、インターハイ2年連続8強のエース細野で物語を完結させた。「体重は登録が115キロなんですが、詐欺ってて(笑い)。東京に来て、おいしいものを食べてたら大きくなってしまいました」と笑い飛ばした明るさで、念願の初優勝をつかみ取った。

山尾明監督も「選手がよく頑張ってくれた。大分県の先生方、学校関係、厚いご支援をいただいた皆さんの勝利。全中(全国中学校大会)がコロナでなかった代でしたが、この代で何とか日本一になりたかった」と万感。昨年も同じメンバーを1年生で並べて経験を積み、集大成の結果を残し「昨年は細野頼みでしたけど、今年はどの選手でも取れるチームになれた」と成長と一丸を勝因に挙げた。【木下淳】