男子は国士舘(東京第1代表)が4年ぶり11度目の頂点に立った。

決勝で東海大相模(神奈川第1代表)とのライバル対決を2-0で制し、全日本王者で5月の世界選手権(ドーハ)100キロ超級代表の斉藤立(国士舘大3年)らを擁した19年以来の出場と優勝を遂げた。

前日の無差別級で準優勝と不完全燃焼だった畠山凱主将(2年)は、準決勝・東海大大阪仰星戦の大将戦を開始38秒の大外刈りで一本勝ちなど、連戦で疲労がピークの中でも奮闘。「昨日の決勝は勝てるところまでいっただけに悔しかったけど、切り替えないといけなかった。その悔しさが今日の優勝のために自分の体を動かしてくれた」と喜んだ。

決勝では副将に入ったエース川端倖明(2年)は30キロ重い相手から技ありを奪って試合を決め「疲れている畠山の前に決めたかった」。1年生の先鋒・山本由聖も内股で一本勝ち。183センチ、120キロの体格を生かして全試合で勝利。最優秀選手に輝いた。

チームとしても苦境を乗り越えた。川端と冨田猛瑠(2年)の2人を除く、ほぼ全部員が2月下旬から今月上旬にかけてインフルエンザに感染。大会10日前に乱取りができないという異常事態の中、マスクをしての打ち込みや組み手の反復などで感覚を維持した。新型コロナウイルス感染で昨年大会も出場できなかった経験不足は、準々決勝の埼玉栄戦を僅差の1-0で制した大接戦など1戦ごとに克服した。

OBの斉藤らが応援に駆けつけた中、王座に返り咲き。畠山主将は「4年前は中学生でスタンドから応援していた。先輩方の見ている前で4年分の思いを込めた」と胸を張り、期待される3冠(金鷲旗とインターハイ)へ「絶対にする予定」と宣言した。

百瀬晃士監督も「ずっと出られなくて経験がなく、緊張で無駄にスタミナも奪われる中、川端や思い切りの良さが魅力の山本が踏ん張ってくれた。自分も最後の最後、インフルにかかってしまうなど練習ができず大変だった。選手は本当にすごい。次は金鷲旗。3冠を狙っていく」と力を込めた。【木下淳】