前回王者の坂本花織(22=シスメックス)が今季のショートプログラム(SP)で世界最高となる79・24点をマークし、首位発進を決めた。2位のイ・ヘイン(韓国)に5・62点差をつけ、日本勢初の2連覇へ好スタートを切った。

中野園子コーチに背中を押され、リンクに立った。引き締まった表情で滑りだし、冒頭のダブルアクセル(2回転半)を危なげなく着氷。2本目の3回転ルッツも確実に降りた。

キレのあるスピンを披露すると、3本目のフリップ-トーループの連続3回転ジャンプも着氷させた。

観客の手拍子に合わせ、最後まで丁寧に滑りきると、ファンから大きな喝采を浴びた。得点を知らせるアナウンスには何度かうなずき、充実感を漂わせた。

坂本は「とりあえず全部できて良かった。ホッとしました」と安堵(あんど)の表情。初出場で5位に終わった19年の世界選手権と重ね合わせ「4年前を思い出して、こういう感じがいよいよ戻ってきたんだなと。6分間練習の時から、緊張でもあり、楽しみでもありました」と会場の空気感をかみしめた。

連覇が懸かる24日のフリーへは「4年前に悔しい思いをしてリベンジもある。成長した部分を明後日のフリーで見せられるように」と語り、「最後の最後まで集中して、パーフェクトで終われるように頑張りたい」と意欲を燃やした。