日本バレーボール協会は27日、23年度の女子日本代表チーム「火の鳥 NIPPON」の登録メンバー40人を発表した。エースで主将の古賀紗理那(26=NEC)ら実績組に加え、12年ロンドン五輪銅メダルの大友愛さんの長女、秋本美空(みく、16=共栄学園1年)や米大学院生の小林エンジェリーナ優姫(23)ら、12人が初選出組で名を連ねた。真鍋政義監督(59)の下、9月のパリ五輪予選に向けてスタートを切る。

◇  ◇  ◇  

真鍋監督は10位に終わった東京五輪後の21年10月、12年ロンドン五輪で銅メダルに導いた手腕を買われ、再び監督に就いた。「パリ五輪に出場できなければ、女子バレーボールは緊急事態になる」。突破、打開を意味する「ブレークスルー」をスローガンに掲げ、立て直しを誓った。

その言葉通り、着実に結果を積み重ねてきている。キャプテンでエースの古賀、昨季VリーグMVPの井上や石川らが枢軸となり、昨年のネーションズリーグでは東京五輪金の米国をストレートで破るなど7位。世界選手権では8強入りし、世界ランキングを9位から6位まで押し上げた。

アタック精度が向上したオフェンス面は「世界のレベルに近づいてきた」と手応えを示す。一方でサーブはスピードやパワーで強豪国に劣るとし「固定概念を払拭して違った角度から改善する」と、4月3日からの合宿で“秘策”に取り組むことを示唆した。

今回は16年リオ五輪を知る長岡も2年ぶりに選出。東京五輪代表12人には選ばれなかったが、2度の左膝前十字靱帯(じんたい)断裂を乗り越えた31歳のベテランへの期待も高い。真鍋監督は「フルでやってもらう。どれだけ復活できるか」と楽しみな戦力に挙げた。実績組、新戦力、ベテランの切磋琢磨(せっさたくま)、そして融合も、パリ五輪予選に向けてのカギになりそうだ。

◆パリ五輪への道 出場枠は開催国フランスを含む12。9月に日本、ポーランド、中国の3都市で開催される五輪予選「ワールドカップバレー」では、世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれ、各組の上位2カ国が出場権を獲得する。ここで獲得出来なかった場合は、五輪予選で出場権を獲得した6カ国とフランスを除く世界ランキング上位5カ国が出場権を得る。9月の五輪予選で3位以下となると、来年のネーションズリーグに出場し、ランキングを上げることが必要になる。