21年東京五輪の卓球で金、銀、銅メダルを獲得した伊藤美誠(22=スターツ)が29日、東京・三鷹市の第六小学校への電撃訪問でパワーを充電した。

24日に卒業式を終えた6年生106人と交流し、本気のサーブやスマッシュを披露。来年1月まで続く24年パリ五輪代表選考レースは暫定4番手と苦しむ中で「再出発する時間。(活力が)満タンになった」とほほえんだ。

6年生は5年時の授業で東京五輪・パラリンピックのレガシーについて考え、その延長で昨年5月に「会いたいアスリート」として名前が挙がった5選手に手紙を送った。学級担任の1人が「ダメ元だった」と明かす取り組み。このまま卒業…と思われた今年2月、伊藤の関係者から突然連絡が入った。数十通に及ぶ手紙を読んだ伊藤は「元気をもらいたくて、私が会いたかった」と明かし、担任は「うそかと思った」と驚いた。

5月には五輪選考レースの鍵となる世界選手権(南アフリカ)を控える。「楽しく、のんびりやって、最後はなるようになると思う」。自らのスタイルで大切な1年を過ごす。【松本航】