元世界ランキング4位の錦織圭(33=ユニクロ)が、約1年8カ月ぶりの復帰大会で優勝を果たした。18年大会以来となる約5年4カ月ぶりのATPチャレンジャーツアー制覇となった。
昨年のウィンブルドン・ジュニアで準優勝を飾り、今年5月にチャレンジャー大会デビューしたマイケル・ゼン(米国)と初対戦し、6-2、7-5のストレートで退けた。1週間で5試合、計8時間35分を戦い抜き、復帰大会のフィナーレを最高の形で飾ってみせた。
コートにあったのは、テニスファンが待ち焦がれた日本のエースの姿だった。立ち上がりから、勢いに乗る19歳の新鋭に、付け入る隙を与えない。1セット目の第1ゲームからいきなりブレークに成功すると、第5ゲームでは2連続でリターンエースを含むラブゲームでブレーク。第8ゲームも鋭いダウンザライン、サービスエースでサービスゲームをラブゲームでキープし、6-2で先取した。
第2セットも流れを手放さなかった。第1ゲームからブレークスタート。第4ゲームではこの日初めてサービスゲームを落としたものの、第5ゲームですかさずブレークバックに成功。第7ゲームも技ありのドロップショットなどでブレーク。3ゲーム連取されて追いつかれたもの、7-5で勝利した。時折4連戦の疲れを表情に浮かべながらも、全盛期をほうふつとさせる攻撃バリエーションや、軽やかなフットワークで相手を翻弄(ほんろう)した。
昨年1月に股関節の手術を受け、リハビリ中の同年9月には右足首も痛めて長期離脱。引退の考えがよぎったこともあったが「こんなに努力したのをこのぐらいのことで手放すのか」と、強い意志で再びこの場所に戻ってきた。
21年10月以来となった大会出場は、「過去の復帰大会で一番良いでき」と再三口にする内容だった。右手首のケガから5カ月ぶりに復帰を果たした18年は、復帰戦となったチャレンジャー大会で初戦敗退。2大会目で優勝し、最後は全米オープンでベスト4の離れ業を成し遂げた。この時の勢いを上回る順調ぶり。一気に復帰ロードを駆け上がる。
最終目標はATPツアー優勝、そして4大大会での上位進出。チャレンジャー大会での優勝は、あくまで通過点だ。「今、ツアーに戻って戦えるのか? って言われると、その自信はまだない」と、自身の立ち位置をしっかり俯瞰(ふかん)する。5セットを戦う体力も取り戻す必要がある。完全復活に向け、この大会の優勝を足掛かりにする。


