21年東京オリンピック(五輪)銀メダルの日本(世界ランキング9位)が、今夏のパリ五輪出場を決めた。勝てば五輪切符獲得となる最終戦で強豪カナダ(同5位)に86-82で競り勝ち、通算2勝1敗として五輪出場権を確定させた。東京五輪後に昇格した恩塚亨監督(44)が外角シュートと速さに特化したチームを作り上げ、3大会連続五輪出場に導いた。男女そろっての五輪出場は、自国開催枠で臨んだ東京五輪を除けば76年モントリオール五輪以来48年ぶりとなった。

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歓喜の輪を1歩下がって見詰めながら、恩塚監督は両手をたたいて喜んだ。「チームで戦い抜くことを40分間やり通せたことが勝因」。話し出すと感情がこみ上げ、目が潤んだ。

大会前に「走り勝つシューター軍団」というコンセプトを掲げた。外角シュートと速さが両輪。日本の3点シュートを警戒したカナダに対し、ゴール下に切れ込むドライブに比重を置いた。立ち上がりからダブル司令塔の宮崎と山本がスピードあふれるプレーを繰り出し、相手を翻弄(ほんろう)。「足を生かして相手をやっつける。狙い通りのイメージ」と指揮官は明かした。平均身長で約9センチ上回る相手に対し、スローガン通り走り抜いた。

恩塚監督は07年に戦術アナリストとして日本代表にかかわるようになった。指揮官としても分析力を発揮。昨年10月に今大会の組み合わせが決まると、対戦相手の映像を何度も見直した。1月上旬の強化合宿開始までの約3カ月で、再生時間は実に200時間以上。特定の連係シーンだけをつなぎ合わせた映像を編集するなど徹底分析した。自分たちの強みのシュート力と機動力を最大限に発揮する攻守の方法を探り、相手攻略を練習で落とし込んだ。

強敵スペインを破りながら、格下の地元ハンガリーに逆転負けも喫した。切符は、あくまで通過点。パリでの金メダル獲得が目標と公言してきた。まだまだ強くなれる。「たくさんの方に応援していただいた。パリでまた恩返ししたい」。花の都で大輪を咲かせる。

 

◆恩塚亨(おんづか・とおる)1979年(昭54)6月5日生まれ、大分県中津市出身。中津南高-筑波大-早大大学院。東京医療保健大に06年に女子バスケ部を創設して短期間で全国有数の強豪に育て上げ、17年から全日本大学選手権5連覇。女子日本代表にはアナリストとして07年から関わり、17年からアシスタントコーチに就任。銀メダル獲得の21年東京五輪ではホーバス監督を支え、同大会後に監督に就任した。

 

 

◆パリ五輪バスケットボール競技 5人制は男女各12チームが出場。7月27日から8月11日にかけて実施され、1次リーグはスタッド・ピエール・モーロワ、決勝トーナメントはベルシー・アリーナで行われる。3人制はパリ中心部のコンコルド広場で7月30日から8月5日に行われる。

 

◆パリ五輪女子バスケ勢力図 出場する全12チームが出そろった。優勝候補筆頭は21年東京五輪金メダルの米国で、団体競技での五輪最多単独記録となる8連覇を狙う。22年W杯も制しており、パリ五輪切符をいち早く手にしていた。同年W杯準優勝の中国が2番手グループ筆頭で、オーストラリア、カナダが4強に入った。東京五輪銀メダルの日本は世界最終予選でカナダや世界ランク4位スペインから白星を挙げているように、ランキング上位国と互角の実力を持つ。