フィギュアスケートの元世界女王で、4月に第1子の女児を出産した安藤美姫(25=新横浜プリンスク)が5日、横浜市内で記者会見した。<会見要旨=その1>

 このような機会をつくっていただき、ありがとうございます。1日に米国から帰国しました。コネティカット州でフリーの振り付けを終えて、SP(ショートプログラム)、フリーの曲目がすべて終わって、あとは練習のみです。いくつかショーもまだ残っていますので、いまはゆっくり練習して、ショーで(新プログラムを)滑るかもしれないので。スケートに関してはこれからも応援していただきたい。

 この場をお借りして、わたし自身の気持ちというか、今日までの1日1日を振り返って、みなさんにご理解いただけたらなと思って、お時間をいただきました。

 (7月1日にテレビ番組で出産を公表後)今日まですごくいろんな方に迷惑をかけてしまった。サポートしてくださっている方は、いまの現状を理解して手伝ってもらっていて、本当に感謝しています。ただ…、すごく言葉が分からないけど、関係者の方に対して、新聞社、テレビの方、ゴシップのマガジンの方が営業妨害にも値するような対応ですね、夜中に電話したり、わたし自身は公に出る立場なので受け入れてやっているのですが、ただ家族、親戚は公に出る立場ではないと思いますし、生活、仕事をきちんと持っているので、そういう方に失礼のあった報道…、わたし自身のやったこともあるけど、きちんとした対応をしていただきたい、というお願いをしたいです。

 夜中の電話とか、関係者の実家の方に足を運んでいる方も多々いるので、失礼は本当にやめてほしいです。母に対しても、自分の母親には変わりないけど、公に出る立場ではない。いまではスーパーマーケットに行ったり、買い物に行くのでもずっと車で後をつけられたりするとか、渡米する時も何台か後ろから車でつけられたりとか、空港で待たれたりとかありましたので、普通の生活ができない状態にある。それをご理解くださって、やめていただきたい。それは生活からのお願いで、1人の人間でもあるし、いまは外に出られないし、毎日毎日、いろいろな方が待っている状態なので。スケート以外のところで生活もあるし、ちょっと悩んでいる。

 あと父親の件ですけど、その件に関してはあちらのご家族もいらっしゃいますし、サポートしてくださる方もいるし、わたしの口から誰だという報告はしませんし、競技に復帰するということで、きちんと終わってから相手の方とはお話をして、きちんとしていくつもりです。わたしの周りの方、相手の方にも失礼は控えていただきたい。

 あと7月1日にどうして報道したかというと、娘も公に出る立場でないし、ただ生を受けて1人の女の子として、きちんと生まれてきてくれた。「なぜ顔を見せないのか」という人も多いと思いますけど、日本は安全と言われているけど、誘拐とか、知らないところで殺人とかもあるので、そういうところから守りたいと思って顔を伏せている。

 わたしと一緒で、彼女が公に出る立場になったら頑張らないといけない。でも1人の女の子として生まれてきたので理解してほしい。1人の人間として生まれてきて、ずっとこのまま(出産を)隠していると、表現は悪いかもしれないですけど、ずっとパパラッチの方に追いかけ回されて、そういった公表のされ方は避けたかった。

 外をきちんと歩いて、日本はこういう国だよ、緑いっぱいのところを歩かせてあげたいと思い、(出産を)公表させていただきました。後ろからつけられたりとかはしょうがないけど、顔だけは載せてあげないでほしいなというのが、母親としてのお願いです。未来もあるし、彼女の素晴らしい人生の始まりだと思うので、それだけはお願いします。

 (以上、安藤による冒頭から約15分間の近況報告)