本来なら春場所の番付発表となる日だった28日、東京都墨田区の両国国技館内にある日本相撲協会事務所には、各部屋の行司や呼び出し、若手力士らが番付に代わる「順席」の表を取りに来た。

 通常の発表の日は番付表が配られ始める午前6時に力士らが集結するが、この日は配布開始の午前10時になっても人影はまばら。協会員によると、表の割り当ては各部屋で数枚ずつという。自ら訪れた大嶽親方(元十両大竜)は「寂しい。いつもなら千枚を超える番付がどーんと部屋に来るんだけど」と神妙な面持ちだった。

 ある部屋の行司は「いつもは力士と2人で来るんですけど。雰囲気が違いますね」と複雑な表情。力士の口は重かった。