週刊現代の八百長疑惑報道で名誉を傷つけられたとして、日本相撲協会と力士30人が発行元の講談社側に約6億1000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、「記事は真実とは認められない」として、講談社側に4290万円の支払いと記事取り消し広告の掲載を命じた。
中村也寸志裁判長は、朝青龍ら力士と協会の名誉が著しく傷つけられたと判断し、「取材がずさんというほかない」と指摘した。4290万円は名誉棄損訴訟1件あたりの賠償額としては最高額とみられる。同誌の八百長報道をめぐっては、北の湖前理事長らが原告となった別の訴訟の判決で、東京地裁が5日に講談社側に約1500万円の支払いを命令。今回は原告数も多く異例の高額賠償となった。
協会側弁護団の吉川精一弁護士は「判決は八百長がはびこっているという印象を払拭(ふっしょく)するのに役立つのではないか」と話し、「朝青龍への賠償金1100万円は史上最高額ではないか。裁判所の名誉についての考え方が、変わってきているのでは」と解説。これまでスポーツ選手では、プロ野球元巨人の清原和博氏が01年に週刊誌の記事を巡って1000万円の損害賠償が認められたのが、最高額とされている。
◆判決要旨
「横綱朝青龍の八百長を告発する」などと題した週刊現代の3回にわたる記事は、取材がきわめてずさんで、内容に真実性がない。元関取の板井圭介氏の証言も八百長の内容や金の授受について具体的な内容を全く認識していない。武田氏の力士への取材時間は、栃東で5~15分、他の記者を通じて朝青龍、魁皇、旭天山に数分、その他は取材していない。写真、見出し、書きぶりは、具体性、迫真性があり、読者に真実と受け取られやすいが、ずさんな取材の上で書かれている。


