<大相撲夏場所>◇2日目◇11日◇東京・両国国技館

 日体大出身で幕下15枚目格付け出しの宮本(22=境川)が、デビュー戦で同西15枚目の力龍(29=花籠)に上手投げで敗れた。大学5冠で、埼玉栄高時代の同期の関脇豪栄道(23)らに続く「新星」と期待されるが、プロの厳しさを実感する黒星スタートとなった。

 宮本の動きは硬かった。左を差して右上手を取り、寄りに行ったところを力龍の投げに1回転し「緊張はしなかったんですけど、前に出られなかった。力不足です」と振り返った。7戦全勝なら史上初となる1場所での十両昇進の可能性があったが、いきなり、プロの壁にはね返された。

 187センチ、138キロの体格を武器に昨年の国体成年の部を制した。07年初場所の市原(清瀬海)以来の幕下付け出しで、埼玉栄高の同期の豪栄道や、先輩の山本山ら幕内の実力者でも得られなかった位置からのデビュー。高校の恩師・山田道紀監督が「バネがすごい。上背もあるし素質は豪栄道に引けを取らない」と言い、師匠の境川親方(元小結両国)が「まだ線は細いけど下半身がいい」と、高く評価する力士だ。

 日体大を卒業して今月から境川部屋に入門し、部屋の生活にはまだ慣れていない。兄弟子の岩木山の付け人から、ちゃんこ番まで「教えてもらうことばっかり」。起床時間は序二段力士と同じ午前5時で「幕内の取組あたりになると眠くなるんです」と苦笑いする。

 10日の母の日には、山田監督の早苗夫人に感謝の言葉を電報にして送ったが、プロとして早く白星を届けたいところ。「切り替えてやっていくしかない」と話した。【山田大介】