<大相撲初場所>◇6日目◇17日◇東京・両国国技館

 兵庫県尼崎市出身の前頭8枚目栃乃若(25=春日野)が阪神大震災から19年たったこの日、豪快な上手投げで1敗を守った。佐田の富士の強烈なのど輪を耐えると、左四つに食い止め両まわしをつかんだ。「上手をバシッと引いたとき『あっ』と相手が言ったんです。それが聞こえるのは落ち着いている証拠」。201キロを見事に転がした。

 元高校横綱の大器は2年前の春場所で前頭筆頭まで上がったが、右脚のけがなどで伸び悩んできた。ケガに苦しんだ昨年はトレーナーと筋力強化。「体のバランスがよくなった」と、自信を取り戻した。昨年末の計測では1年間で身長が2センチ伸びて197センチと、まだまだ成長期。阪神大震災の当時は6歳で、自宅の窓ガラスが割れ、祖父がタンスの下敷きになった。「こういう日に勝てて良かった。上位と当たる位置で大阪場所にいければ地元の人も喜んでくれると思う」。2年ぶりの上位復帰へ意気込んだ。