<都市対抗野球・2次予選東北大会:NTTグループ東北マークス5-3フェズント岩手>◇敗者復活戦2回戦◇5日目◇2日◇仙台市民球場

 NTTグループ東北マークス(仙台市)が劇的勝利を挙げた。2-3の9回1死満塁から、代打の江井康胤内野手(36=東北福祉大)が走者一掃の逆転二塁打を放ち、5-3でフェズント岩手(盛岡市)に競り勝った。本来4番の江井は、1日の七十七銀行戦で右足首をねんざ。ベテランは、ケガにも勝負にも負けなかった。

 外寄りのスライダーに、江井が顔をゆがめながら食らいついた。右翼線に落ちる逆転の二塁打。右足を引きずってベースにたどり着くと、大きく両手を広げた。「当てれば何かが起こる。都市対抗は通常ではありえないことが起こるから」。JTで8度、補強で3度東京ドームを知る男が、執念を見せた。

 1日、守備でフェンスに激突し右足首をねんざ。2日は大事を取りスタメンを外れ、終盤に一塁コーチに就いた。追いつめられた9回1死から、チームメートが3連打。三瓶仁監督(41)から「打つだけでいい、頼む」と、急きょ呼び出された。足元は人工芝用スパイクのままだった。

 今年37歳になるベテランは「純粋に野球が好きだから」と続ける理由を話す。夢もある。「自分のチームで出たい。若い選手に、素晴らしい場所と知ってほしいから」。ドームへの思いを、失うことはない。【清水智彦】