<東京6大学野球:法大3-0立大>◇第2週2日◇21日◇神宮

 「ハンカチ世代」にニュースター候補の誕生だ。法大・加賀美希昇投手(2年=桐蔭学園)が、自己最多の15奪三振でリーグ戦初完封を飾った。最速149キロの直球を軸に141球を投げ、立大打線を6安打0封。3-0で破り、1勝1敗の五分に戻した。打撃陣は長谷川裕介内野手(1年=常葉学園菊川)がリーグ戦初本塁打となる先制2ランを放った。立大はリーグ通算1000敗目。

 加賀美が投じた140球目が、自己最速タイの149キロだった。9回1死二、三塁のピンチを連続三振で切った。リーグ戦初完投が初完封。直球にチェンジアップを交えて、自己最多15三振を奪った。「余力?

 全然ないです。振り絞った感じ」と笑った。185センチの長身から投げ下ろす力投型が、雨でぬかるむマウンドを2四球でまとめた。

 今春までは、リーグ戦登板6試合すべて中継ぎだった。前週にリーグ戦初先発で初勝利し、勢いに乗った。「神宮に慣れたのはあると思う」。夏場は怪物江川卓氏も走った多摩川沿いを連日10キロ以上走った。併設する陸上競技場でダッシュを繰り返し、終盤でも落ちないスタミナを養った。

 桐蔭学園高では秋、春、夏と自分たちの代は3季連続県4強で敗れた。全国舞台とは無縁で「悔しい思いばかり」と振り返る。力投型だが前パイレーツ桑田真澄氏にあこがれ、投球術を学んだ。2年後、早大・斎藤らとともにドラフト上位に名を連ねる可能性大だ。