<東都大学野球:東洋大3-2亜大>◇27日◇最終週最終日◇神宮

 亜大・東浜巨投手(1年=沖縄尚学)は8回から登板し、2奪三振0封。4勝1敗で最多勝、最優秀防御率、新人賞を獲得し、65年専大・芝池博明(元中日)以来44年ぶりの1年春のベストナイン投手に選出された。

 1点を追う仲間を鼓舞するように、東浜は腕を振った。8回から連投のマウンドに上がり、先頭に前日2安打を浴びた1番・小島を迎える。冷静に、120キロスライダーで空振り三振に切ると、2奪三振0封。味方の反撃を信じて、9回の攻撃前からベンチ前でキャッチボールを続けた。

 だが思いは届かない。整列を終えると、涙が止まらなくなった。「出来過ぎなぐらい結果は出せたけど、最後に負けたことで満足はしていない」とV逸の責任を背負い込んだ。4月21日の初登板(中大戦)から4試合連続完投、6試合44回を投げて44年ぶりの1年生ベストナイン投手に輝いた。「リーグ戦は2カ月あるので体調管理が難しい。後半に来て、一番大事なところで体力が落ちた」と秋への課題を挙げた。

 6月20日からは日米大学野球選手権の選考合宿(平塚球場)が行われる。日本代表入りすれば、今夏は米国代表に挑むことになる。「秋は東洋大を倒して優勝したい」の思いを胸に、すべての経験を力にする。