渡辺や大田、杉谷ら“表のヒーロー”には隠れるが、救援陣の頑張りを評価したい。

窮地を託されてマウンドに上がるリリーフ投手。1番大事なことは、迎えた最初の打者を抑えること。7回2死、宮西が手痛い失点で勝ち越された直後の出番で、ウィーラーを打ち取ったバーベイト。再び勝ち越された8回2死で起用され、浅村を抑えた公文の投球は、次のイニングの相手投手にも重圧を与え、自軍の反撃にもつながった。延長戦を完璧に抑えた秋吉、堀も含め、心強いブルペンが、日本ハムの強みでもある。

打線で1つ気になったのは、先発の古川に対するアプローチ。6回まで、のべ21人のうち、打者有利のバッティングカウントで、直球をファウル、もしくは凡打に終わった打席が実に8度。配球を考え、対策を講じ、誰かがその直球をたたいて、もっと早くマウンドから降ろさないといけない。あまりにも安易に直球を投げられすぎた。終盤の渡辺の逆転弾や大田の1発など、粘り強い攻撃は評価できるからこそ、序盤の拙攻も目についてしまった。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)

日本ハム対楽天 試合後、笑顔でナインを出迎える栗山監督(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 試合後、笑顔でナインを出迎える栗山監督(撮影・黒川智章)