オリックス福良監督が来季も指揮を執ることが決まった。そして続投を要請した西名球団社長の、こんな発言に大きな違和感を覚えた。「来年優勝とは言わないが、せめてCSに行ってほしい」。過去15年で最下位7度、Aクラス2度という球団にCSは現実的目標かもしれない。でもプロでしょ。目標がCSでいいんですか? 我慢ならず、再び西名社長に聞いた。

 「そらな、CSより優勝とは思うよ。でもいきなり優勝とか言うと、周りから『何をアホなこと言うとるんや』と言われるやろ」。段階を踏むということか。確かにパは強敵ぞろい。ただ球団社長が周りの目を気にする必要があるのか…。

 「優勝とは言わないなんて、ファンに対しても失礼では?」。しつこく聞くと西名社長は考え込んだ。「そうか…。言わん方が良かったか。それはすまんかった」。たかが担当記者にアッサリわびるくらいなら、最初から言わなきゃいいのに。拍子抜けしてしまった。金子や小谷野ら選手から「監督を胴上げしたい」との声を聞き、救われた気がした。

 ともあれ、こうなったら福良監督に強烈なリーダーシップを発揮してもらいたい。監督代行から昇格して来季が3年目。ホップ、ステップ、そしてジャンプアップの優勝をぜひ見たいと思うのだ。【オリックス担当 大池和幸】