侍ジャパンが延長タイブレークの末、オランダを破った。野球評論家の西本聖氏に試合のポイントを聞いた。

 -延長11回、投手を9人使って勝った

 西本氏 みんなで力を合わせて勝ち取った1勝。そんな感じがすごくした。

 -1点リードの9回裏、抑えに起用されたのは則本だった

 西本氏 なんで牧田が行かなかったのか? と思った。力で抑えるよりも遅い球、初めての対戦になることからタイミングが合わないから牧田を抑えで使う作戦を選んだと思っていたから「あれ?」と思った。

 -結果的に10回から牧田が出て抑えた

 西本氏 短期決戦だし、ベンチがその時の状況に応じた戦い方をするのは良いと思う。ただ、選手はどう思うのかな。役割をはっきりさせた方が準備もしやすい。

 -4点を奪われた3回のバッテリー(石川-小林)の攻めは

 西本氏 オランダの打者は勝負が早い。早いカウントからどんどん打ってくる。1死から9番のオデュベルに二塁打された。そこから4失点するまで石川は1番シモンズから本塁打を打たれた4番バレンティンまでの4人に対しわずか8球しか投げていない。たった8球で4点を取られた。やはりそこはもっと冷静に、逃げるというわけではないがボール球を使ってかわす、時間をかけなければいけないと感じた。

 -9回に則本が同点に追いつかれた場面は

 西本氏 あそこもそう。2死一、三塁から6番スクープに1ストライクからの2球目を打たれた。則本にしたら非常に悔いの残る1球だったと思う。

 -8回にも宮西がつかまりピンチ(1死満塁)があった

 西本氏 ヒット、ヒットで無死一、二塁から7番スミスを三振に取った。ここで増井を投入した方が良かった。結局8番打者に四球を与え満塁にしてから交代した。1死満塁と1死一、二塁ではプレッシャーが全然違う。ピンチになったら代えるつもりだったのなら、やはり1人前の1死一、二塁で代えてあげるべき。ベンチが味方の投手にプレッシャーをかけてはいけない。

 -守りについては初戦のキューバ戦に続き二塁手の菊池に救われた

 西本氏 7回のファインプレーは大きかった。あのプレーが試合の流れをつくってくれた。あらためて、攻守みんなで力を合わせて勝ち取った白星だと思う。