夏の甲子園に出場する49校が出そろった。一方で今春センバツで上位進出した東海大四(準優勝)や、大阪桐蔭、浦和学院(以上4強)、常総学院、県岐阜商(以上8強)などが地方大会で敗退するなど波乱も多かった。

 センバツ出場32校のうち夏の甲子園に戻ってきたのは優勝した敦賀気比(福井)など7校だった。

 今春センバツ準優勝の東海大四(南北海道)は準決勝で北照に競り負けた。甲子園で大活躍した大沢志意也投手(3年)はこの試合で3本塁打を浴び涙をのんだ。

 4季連続甲子園出場を狙った八戸学院光星(青森)は決勝でノーシードの三沢商に延長12回、暴投でサヨナラ負けした。

 センバツ8強の常総学院(茨城)は4回戦で東洋大牛久にまさかの敗戦。打線の調子が最後まで上がってこなかった。

 センバツ4強の浦和学院(埼玉)はノーシードの公立校に不覚を取った。準決勝で白岡に1-4で敗れた。森士監督(51)は「準々決勝で大勝(14-0)したことで、やや大振りになったかな。修正出来なかった」。センバツでは4強に入り各チームからマークされる立場に「重圧は大きかったと思う」と選手の気持ちを代弁した。

 神奈川では横浜が決勝で敗れ、渡辺元智監督(70)の最後の夏を甲子園出場で飾れなかった。

 石川では準々決勝で昨夏決勝の再戦、星稜-小松大谷が実現した。0-3で迎えた9回裏、小松大谷が4-3で逆転サヨナラ勝ち。昨夏、8-0から9回裏に9点を奪われてまさかのサヨナラ負けを喫したリベンジを果たした。しかし続く準決勝で敗れ甲子園出場はならず。

 プロ注目の小川良憲投手(3年)を擁し3季連続甲子園を狙った近江(滋賀)は決勝で敗れた。

 京都では昨年センバツ優勝、4季連続の甲子園を目指した龍谷大平安が4回戦敗退。京都翔英に延長10回の末、8-11で敗れた。

 昨夏甲子園優勝の大阪桐蔭は準々決勝で大阪偕星学園に2-3で敗れ、甲子園連覇の夢を絶たれた。1回戦でいきなり優勝候補の履正社と対戦。5-1で快勝し順調に甲子園に駒を進めるかと思われたが、準々決勝で力尽きた。また廃部の危機に直面しているPL学園も準々決勝で涙。1年生はおらず2、3年生だけで甲子園を目指したが力及ばず。新チームは一般入試で入った2年生12人でスタートする。

 山口では昨秋の中国大会を制しセンバツにも出場した本命・宇部鴻城が準決勝で敗れた。8回まで3-0でリードしていたが9回に4点を奪われまさかの逆転負けを喫した。

 香川の英明も昨秋四国大会を制しセンバツ出場。大本命だったが準決勝で優勝した藤井学園寒川に逆転負けで涙をのんだ。

 高知は今年も明徳義塾の壁を破れなかった。10年から5年連続で決勝で対戦し敗れていた。今夏は8回に5点差を大逆転。甲子園が目前に迫ったが9回に再逆転された。11年から5年連続の1点差負け。悔しい準優勝が続く。

 福岡ではセンバツに続く春夏連続出場を目指した九産大九州が3回戦敗退。福岡大大濠に0-2で完封負けした。

 また、最速152キロ右腕でドラフト1位候補の県岐阜商・高橋純平投手(3年)は故障の影響で1試合しか登板できず準決勝敗退した。「足を早く治して、この夏投げられなかったぶん、次のステップで悔しさを晴らしたい」と話した。