3季連続の甲子園を目指す仙台育英が8回コールドで仙台工を下し、来春センバツへ向けてまずは県大会出場を決めた。U18日本代表で甲子園準V投手・佐藤世那(3年)の弟、1年生右腕の令央が2番手として今秋初マウンドに上がり、4回2安打1失点。前日29日に米国打線を完封した兄の活躍を刺激に、好投を見せた。

 今度はオレの番だ! 世那の弟、令央が仙台育英のマウンドで輝いた。176センチ、76キロとまだ体格は及ばないが、その顔立ちはそっくり。今春「兄の背中を追って」同校に入学し、今秋の新チームから背番号「11」。同じく1年秋からベンチ入りした時の世那と同じ番号を背負って、好投をみせた。

 降りしきる雨の中、5-1とリードした5回表から登板した。春の地区大会に続く2度目公式戦。「(雨で)投げにくいところもありましたが、そこをどう修正するかを考えた。小手先ではなく、下半身を意識して投げました」という。

 最初の打者を三振に仕留めるも、四球をきっかけに2死二塁から右前打を許していきなり失点。だが最速135キロの直球を中心に、チェンジアップなど3種の変化球を織り交ぜ、その後の3イニングは無失点に抑えた。被安打はわずか2本。佐々木順一朗監督(55)は「まだまだ」としながらも「体を鍛えれば十分やっていける。世那を目指し超えるなら、努力して変わっていってほしい」とさらなる成長を期待した。

 前日29日、U18で米国を5安打9奪三振完封した兄の快投も刺激になった。試合は自宅で両親と一緒にテレビ観戦した。「素晴らしいのひと言です。あんなに三振を取れるなんて」。米国を苦しめた宝刀フォークの握りは教えてもらっているといい「いずれはフォークも投げて、三振をたくさん取れる投手になりたい。エース(番号)をつけることを目指したい」。1年生右腕、令央の挑戦が始まった。【成田光季】