熊本地震の影響で5月10日からの開催に延期されていた春季九州大会(長崎)に、九州学院と秀岳館(ともに熊本)が出場する意向を固めたことが2日、分かった。

 熊本市にある九州学院は学校が避難所となり、野球部員たちはボランティアに励んでいたが、4月28日から練習を再開。寮も5月1日から再開し、2日の練習には全員が集まったという。 坂井宏安監督(58)は「子供たちもボールを握れる喜びを感じているし、高野連にも(開催を延期して)配慮して頂いた。出ないのは失礼。出ることを前提に考えている。まだ試合もできていないので、紅白戦をするなどして準備したい」と明かした。

 八代市にある秀岳館も体育館が避難所となった。現在も多くの部員が実家に戻っており、練習は再開できておらず、ボランティアと並行する形で合同自主トレを続いているが、大会には出場する方向。ベンチ入りメンバー20人のうち、15人は自主トレに参加しているという。

 鍛治舎巧監督(65)は「東日本大震災の時もセンバツが震災から12日後の開幕だったが、東北の学校は出場した。我々は開催を約20日伸ばして頂いているし、出るつもりで考えている。まだ練習はできておらず、どこまで戦えるかは分からないが、被災地のチームが出場することで地元の人を勇気づけられる試合がしたい」と話した。