こちらは支援準備完了!
センバツ6日目に、掛川西(静岡)と対戦する利府(宮城)が16日、利府町内の同校、利府町役場、JR仙台駅で壮行式を行った。利府町民の協力で資金面の困難を乗り越え、なんとかこの日を迎えた。利府ナインはその後、仙台空港から出発し、大阪入りした。
キリッと引き締まった表情で、利府ナインが壇上に上がる。遠藤聖拓主将(3年)が「応援お願いします!」と体育館に声を響かせた。その姿を、目を細めて見守っていたのが、応援実行委員会長の佐々木康生さん(47)。出場決定から、さまざまな苦労があった。
しんがり出場となる野球部の長期滞在、全校応援など初戦を戦う費用は約3500万円。佐々木会長が先頭に立ち、先月から協賛金を募り始めた。しかし未曾有の大不況の中、それは困難の連続だった。しらかし台工業団地に足を運んだ際は「15人を解雇しなければならない…」と寄付どころではなかった。
今月上旬、急きょ協賛金を募る趣意書を作った。町民の協力で、約1万500世帯に配布。「利府高ピンチ」の知らせに寄付が一気に集まり、壮行式までに1回戦の費用は確保できた。
「多くの人に支えられてると実感した。『勝利』という2文字で恩返ししたい」と遠藤主将。佐々木会長は「子どもたちは、楽しんでやってきてほしい」と空を見つめた。寄付だけでなく、利府町民3万3750人の思いで勝ち取った「もう一つの甲子園」への道。アルプススタンドだけではない。全町民が利府ナインを見守っている。【三須一紀】

